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誤解しがちな内向性/外向性の違いについて

内向的な人と、外向的な人……これらに関するステレオタイプ的な印象は、きっと一度はあなたも見たことがあるはず。

とはいえこれら“印象”は、あくまでも“印象”であり、正しくはありません。

友人と楽しい時間を過ごすことも好きだけれども、休日の夜は一人で映画鑑賞をしたい人がいたとします。この場合「休日の夜は一人で映画鑑賞をしたい」という部分のみを切り取ると、その人が内向的であるように思えてしまいます。

反対に、普段は人づきあいを好まないものの、たまに友人たちと会食する機会を楽しみに待っている人がいるとしましょう。こちらも「たまに友人たちと会食する機会を楽しみに待っている」という部分だけを切り取れば、その人が外向的であるように見えてしまいます。

このように一部分だけを切り取って「内向的である」もしくは「外向的である」と判断してしまうと、自分がどちらのタイプに近いのかを見誤ることがあります。

しかし世間には「内向的なパーソナリティの特徴」に関する情報ばかりが出回っていて、人々はその情報に自分を当てはめがちです。なので「自称・内向的」な外向志向の人が多く存在しているのです。

そんな「自称・内向的」な人々は、総じて以下のような言葉を口にします。

  • 「一人の時間が大好きだ! だって誰にも煩わされないからね」
  • 「人と関わり合いになることに疲れたんだ。もう誰とも会いたくない」
  • 「下らない世間話が、マジで大嫌い。本当は、あんなのに付き合いたくないんだ」
  • 「集団の中にいるのは好きじゃない。だって身動きが取れないから」
  • 「自分の性格はシャイな方だと思ってる」

一体なぜ「自称・内向的」な人々が生まれてしまうのでしょうか?

それを明確にするためにも、「内向的」と「外向的」の違いについてを、ご説明いたしましょう!

「内向性」ないし「内向的」な性格とは?

「内向的な性格」とされている傾向を保有する人々は、主に内面世界に注目を向けます。周囲の人々の様子、つまり“外界”を見る前に、自分の心や頭がどう反応しているのかを、よくチェックするのです。

言い換えるならば内向的な人々は、ブレない軸を持っているというわけです。外の世界の喧騒や圧力に、判断を左右されないのです。ただし、この傾向は「我が強い」といった批判を受けたりもします。

またこのタイプは、夢を叶えるために行動を起こすタイプでしょう。そのため、自分の興味関心が向くものにしか関わりたがらないという欠点があります。

「外向性」ないし「外向的」な性格とは?

「外向的な性格」とされている傾向を保有する人々は、主に「周囲の人々の様子」や「世論」といった外界の変化に注目を向けます。自分の内側で渦巻く感情や思考を確認する前に、まず周囲の様子を観察するのです。

外向的な人々は、人と人とのコミュニケーションの中で思考し、感情を揺らし、可能性を探求します。話し合うことが好きで、違う人間が持つ違う意見がぶつかり合って生まれる化学反応を、楽しむことができるのです。

とはいえ波風を立てないことを重んじ、多数の意見に靡くことが多いのが、このタイプの特徴です。内向的な人々が「我が強い」なら、外向的な人々は「自分を持っていない」というところが少しあるのかもしれないでしょう。

またこのタイプは、親や会社などの誰かから与えられた課題をクリアしていく中で、徐々に夢や目標を見つけていくタイプです。

どちらかの性格に極端に偏る人物は少ない

人は誰しも、内向的ないし外向的な性格を併せ持っているものです。

ENFPに該当する場合、直感と思考は外向的ですが、感情と感覚は内向的ですし。ISTPであれば、内向的な思考と直感と、外向的な感覚と感覚を持っているでしょう。

そして私たちは皆、孤独によって癒される時があります。反対に、人と関わり合うことによって元気を取り戻すこともあります。そして誰しも、秘密を隠すときがあり、アイディアを共有したがる時があります。

このように、純粋な内向性や外向性というのは、ほぼ存在しないと言えるのです。もし仮に、極端に外向的/内向的である性格を持っている人物が居たとしたら、それは外向的であろうと内向的であろうと、こう呼ばれることでしょう。「狂人」と。

各パーソナリティはどこで「揺らぐ」のか?

ならば、なぜ自分の性格に大して誤解が生まれてしまうのか。その要因は、以下の通りです。

外向的なパーソナリティの「揺らぎ」ポイント

ENxPタイプの揺らぎポイント: Ne – 外向的直感

このタイプは、外界にて新たな可能性や理論、およびアイディアを発見、もしくは生成するプロセスの中で、揺らぎが生じます。

例えば、新たな法則性を発見したとき。このタイプは推論を手早く組み立てると同時に、その法則性が本当に存在しているものなのか、確証を得ようとします。つまり、理論上のものを現実に落とし込みたいと考えるようになるのです。

しかし彼らは、延々と探求を続けるだけ。それは新しい発見を積み重ねることが、単純に楽しいからでしょう。なので一向に「現実化」というステップに進展しないのです。

このように探索に耽っている時のENxPは、いわば自分の世界に浸っているような状態。これがしばしば「自分の世界に浸っているということは、つまり自分は内向的なのか!」という誤解を生じさせます。

(INxPタイプも似たような性質を持っていますが、厳密には異なっています。ENxPは新しい発見をした時にはまず周囲の人々に知らせ、人々が何かしらの反応を示してくれることを期待しますが。INxPタイプは仮に新しい発見をしたとしても、一人それに満足するだけで、そもそも誰かと感情や情報を共有しようとは考えないでしょう)

ESxPタイプの揺らぎポイント: Se – 外向的感覚

このタイプは、外界で起こる物理的ば相互作用に注目することにより、揺らぎが生じます。

機械の修理中に油によって手を汚したり、軽い運動により体を動かして疲れたり、計画を実行段階に移して行動したり等、何らかの体験に直接触れたりすることが、このタイプの好きなことです。

このタイプは日和見主義的でありながらも、リスクを冒すことも好き。行動を起こして活発に動き回る人であり、自発的であり制限されることを嫌い、オープンマインドで、やや好戦的です。一言でいうと、活発すぎるのです。

動き回りすぎるあまりに、疲れてしまうと、外界に繰り出すことが嫌になってしまいます。音や光などの刺激に嫌気が差すようになり、人付き合いもイヤになるでしょう。

(ISxPタイプも似たような性質がありますが、こちらは単独行動を好むため、そもそも人との関わり合いを避けます。人付き合いが徐々に嫌いになった、のではなく、人付き合いは元から嫌いである、となるのです)

ExTJタイプの揺らぎポイント: Te – 外向的思考

他者との話し合いを通して最終的な判断を下したり、部下に向かって取るべき行動を指示したり、状況を客観的に見つめて分析したりと、外界に意識を向けながら思考を働かせることで、揺らぎが生じます。

このタイプは効率を最優先して考え、物事を論理的に整理し、段取りよく動き、生産性に注意を払います。直接的な表現を好み、常に率直で、勤勉で、強い決意を持っていることも特徴です。また、人と協力して何かを成し遂げることを好みます。

そのためこのタイプは、合理的でない「感情」というものに振り回されて作業を妨害されることや、段取りや要領が悪い人物が傍にいると、腹立たしさを覚えます。

このような苛立ちや怒りが積み重なっていくと、次第に「一人でやったほうが気が楽だ! 他人を信用すべきじゃない!」という考えに変わっていきます。そうして「一人で物事を行うことを好む」傾向が現れ始めると、「自分は内向的なタイプなのかもしれない」という誤解が生じるようになるでしょう。

(IxTJタイプも似たような性質を持っていますが、彼らは共同作業や協力というものを好まず、必要と迫られない限りは他者に手を貸さないでしょう。またIxTJタイプはどちらかといえば独断専行なので、判断を下す際にはあまり他者の意見を聞かないでしょう)

ExFJタイプの揺らぎポイント: Fe – 外向的感情

このタイプは、穏やかな空気を生み出し、他者と心を通わせて、相手の心情を理解するという過程の中で、揺らぎが生じます。

家族や友情など、あらゆる人間関係を円滑にすること。それがこのタイプを駆り立てる、生きがいや使命のようなものです。なので彼らは、積極的なアプローチをしかけていきます。

愚痴を聞いて慰める良き友人であること、穏やかで優しく頼りがいのある親であること、頼もしくて信頼できる同僚であること。これらはExFJタイプには欠かせない要素であり、彼らはそのように振舞うでしょう。

しかし、ExFJが思いやりからとった行動に対して、相手が素っ気ない態度や心無い言葉を返してきたとき、彼らは深く傷つきます。こういった出来事が連続して起こると、人付き合いが嫌になるでしょう。それによって「人付き合いが嫌いな自分は内向的なのかもしれない」という誤解が生じます。

(IxFJタイプも似たような性質を持っていますが、彼らのアプローチは控えめで静かであり、口数も少ないでしょう。ExFJタイプがリードする優しさであるなら、IxFJタイプは静かに寄り添う優しさだといえます)

内向的なパーソナリティの「揺らぎ」ポイント

INxJタイプの揺らぎポイント: Ni – 内向的直感

このタイプの思考回路は、モグラの穴を下って、入った穴とは別の穴から地表に出るようなものでしょう。内部にある抽象的なビジョンの数々を辿り、それがどんな答えに至るのかを思案している時に、揺らぎが生じます。

閃きが降臨すると、それがこのタイプを駆り立てて、更に物事を深掘りして真相を探るようになります。好奇心の火が点くのです。

一度、好奇心の火が点くと、暫定の答えが得られるまで、このタイプは止まりません。一人で黙々と考えている時もありますが、考えが徐々にまとまり始めてくると、INxJタイプは自分以外の意見も聞こうと考え始め、それにより敢えて人前で饒舌に喋るようになることがあります。

普段の少しばかりつっけんどんな態度が薄れ、少しの興奮を交えながら、仮説を饒舌に語る姿は、周囲にも彼ら自身にも「もしかすると、自分は外向的なのかもしれない」という誤解を与えるでしょう。

(ENxJタイプにも似たような性質はありますが。彼らの場合は会議や日常の会話といった、人と人との話し合いの中で追加の情報を得ながら、誰かと共に徐々に考えを纏めていきます。一人きりで考え込む、ということをしないでしょう)

IxFPタイプの揺らぎポイント: Fi – 内向的感情

このタイプは自分の価値観を探求し、見つけたものに従って生きる中で、揺らぎが生じます。

良心、信念。これらはIxFPタイプの核となるものであり、決して譲れないものでしょう。そんな彼らは個人主義的であり、常に自分に従い、信念のために戦うでしょう。

けれども信念が試されるような機会と遭遇した時には、普段は当たり前のように信じられていたものが、容易く崩れてしまうような経験をするかもしれません。そうしてショックを受けた後、開き直ってしまうこともあるでしょう。

開き直った時のIxFPタイプは、奇妙なほどにあっけらかんとしています。振る舞いは投げ遣りなものとなりますが、態度は概ね明るくなるでしょう。その時のIxFPタイプは周囲に「もしかして、外向的な人なのかな?」という印象を与えるかもしれません。

(開き直った時のIxFPタイプの振る舞いは、ExFPタイプに似ていますが、厳密には異なります。ExFPタイプは、何か特定のものに固執することがありません。瞬間に応じて行動や考えを切り替えるタイプでしょう)

ISxJタイプの揺らぎポイント: Si – 内向的感覚

このタイプは過去の経験を基に、慎重な態度で物事に挑む時、揺らぎが生じます。

外界に点在する事象がそれぞれ持つ特徴に、興味を抱いて強く記憶している彼らは、環境に起こった変化などを即座に見つけることができます。

重要なポストないし役割にいる人物の変化、家具の配置といった情報をよく覚えており、鮮明な記憶を持っているでしょう。

そういった情報を人から尋ねられたとき、彼らは良く言えば丁寧に、悪く言えばかなり饒舌に、情報の詳細をかなり細かく教えてくれます。その状況にあるISxJは周囲に、外向的な印象を与えるかもしれません。

(ISxJタイプの観察眼は、ESxJタイプのものと特徴がよく似ています。しかしESxJタイプは他者を基軸に記憶しますが、ISxJタイプは物を基軸に記憶します。なので彼らは、書類に使われていたフォントの種類や、デスクの上に置かれていたメモ帳の色など、かなり細かいところまで物の詳細を記憶しているのです)

IxTPタイプの揺らぎポイント: Ti – 内向的思考

世界を動かし様々な物は、どのように動いてどのように機能しているのか。このタイプは、そういった情報を山ほど仕入れて、頭の中に広大な青写真を作成していく過程で、揺らぎが生じます。

あらゆる物事の核となる真理を探し、深く理解しているこのタイプは、どのデータが真実で、どのデータが虚実であるかを判別するために、すべての情報をふるいにかけ、必要なものだけを選び取ることが特技です。

またこのタイプは基本的に、発生した問題を調査し、分析し、仮説を立てて解決することを楽しみます。問題に挑む、という行為そのものが好きなのであり、難題であればあるだけ燃えるのです。

そんなIxTPタイプは、難題に挑戦している時が最もエキサイトしています。その時の彼らは、普段の寡黙で人当たりの悪いツレない態度を脱ぎ捨て、アクティブに動き回るでしょうし、口数も格段に増えます。その姿は周囲にも、そして彼ら自身にも「意外と外向的なのかもしれない」という誤解を生じさせます。

(エキサイトしている時のIxTPタイプは、ExTPタイプとよく似ています。けれどもExTPタイプは状況に関わらず、日常的に元気で騒がしいでしょう。そしてExTPタイプは周囲の人々に対して、どんな時も最低限の注意は払いますが、IxTPタイプはどんな時も周囲の人々を一切気にしません)

ならば、内向的or外向的をどうやって判別すべきなのか?

一概に「内向的」や「外向的」といっても、その中身は多種多様。

内気だけど外向的な性格、静かだけど外向的な性格、元気ハツラツで外向的な性格、深く考えるタチであり外向的な性格。

または、どこまでも内気である内向的な性格、元気で話好きだけど内向的である性格、自信家だけど内向な性格、フレンドリーだけど内向的な性格などなど。

ならば、どうやって「内向的/外向的」な性格であるのかを見分けるのでしょう? ――それは、物事を考えるときにどちらを最初に見るのか、という点です。ここで分かりやすいように、例を挙げましょう。

Q. 友人たちと訪れたレストラン。そこでは「和食」か「洋食」、もしくは「中華」の3種類のコース料理があり、その中からどれか一つを、各人選ぶことができます。さて、その時にあなたは、どうやってコースを選択しますか?

  1. 友人たちと意見を交わし合いながら、最終的に食べたいと感じたものを選択する。
  2. 自分が食べたいと感じたものを、迷わずに選択する。

もしもあなたが「A」を選んだなら、それは外向的である証です。友人たちと一緒にいる時間を、少しでも多く楽しみたいという外向的な志向が、無意識的にそうさせるのです。

反対に「B」を選んだのなら、それは内向的である証でしょう。人の意見に惑わされたりせず、「それを食べたい!」と感じた自分の心に正直に従う点は、内向的なパーソナリティによく見られる特徴です。

……と。このように、内向的および外向的という言葉は、あくまでも「ものの見方」を示しているだけであり、全体をひっくるめた性格を総称しているわけではないのです。

外向的な人物は、お喋りで元気ハツラツという人を指すわけではありません。外の世界に、よく注意を払う人々のことを指しているのです。

そして内向的な人物という言葉も、シャイで寡黙な人々を指しているわけではありません。自分の考えていることや感情に対して、よく注意を払う人々のことを指しているだけなのです。

もしも自分の性格が、外向的なのか内向的なのかを知りたいのであれば、何かしらの判断を下す時に、自分がどこに最も注意を払うのかを思い返してみましょう。

多くの人に会って、より多くの意見を仰ぐことに注力するのか。
インターネットや書籍から情報を搔き集め、最終的に自分の心がどこにあるのかに注意を払うのか。

その判別がつくようになれば、正確な自分のパーソナリティタイプを知ることができるようになるでしょう。

ABOUT ME
青木 常久
「今すぐ使える心理学」を立ち上げた張本人であり、過去に性格心理学の研究・恋愛心理学の研究を行なっている中で、誤った知識が世の中に蔓延していることに課題を感じ、学術レベルで心理学を学び、企業向けにコンサルティング業務を行なったり、カウンセリング業務を行なっています。 - 九州大学出身、「性格心理」や「芸術」について学ぶ。性格心理学を用いた製品開発やチームマネジメントの第一線で活動中、現在メディア事業部マネージャーとして性格心理学を実践しています。