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誤解を与えてしまう要因について、パーソナリティタイプ別にご紹介してきましたが、今回は「心理機能」の面から解説していきたいと思います。
どの心理機能を優勢機能ないし補助機能として持つかと、どのような性格特徴が表れるのでしょうか?
内向的思考: INTP, ISTP, ENTP, ESTP
INTPとISTPは「内向的思考」を優勢機能として、ENTPとESTPは補助機能として保有しています。
「内向的思考」は物事の根幹にある仕組みを分析し、得られた情報をカテゴリー別に分類することが得意な心理機能です。客観的でマクロな視点から分析し、矛盾を徹底的に潰し、論理的に正確であることを追い求めます。正確さを追い求めるため、カテゴリーは細分化され、より詳細に区分けされます。かなり入り組んだ、複雑な思考回路を持つ人物が殆どで、他者がその思考を読み解くことは難しいとされています。
「内向的思考」を優勢機能に保有する場合、より純粋に”真理”を追い求める性格となるでしょう。世界の真理を追い求めるために学び続け、とにかく知識や情報を集めることが好きです。そして興味関心のあるものを追求することにのめり込むため、人付き合いといった”煩わしいもの”を極端に避けるようになる傾向があります。
補助機能として保有する場合は、優勢機能である「外向的直感/感覚」により収集した情報を処理するためのツールとして、この心理機能を使用します。取得した情報をカテゴリー別に分類した後、矛盾が生じないかを確認するためにあらゆる角度からの分析を試みます。
このタイプはよく常識に疑問を抱き、常識を覆すことを試みるでしょう。論理的な正しさを重んじるため、それ以外はしばしば軽視されます。また権威に対して反抗的であり、どちらかといえば正論を迷いなく振りかざすタイプだといえます。
外向的思考: ENTJ, ESTJ, INTJ, ISTJ
ENTJとESTJは「外向的思考」を優勢機能として、INTJとISTJは補助機能として保有しています。
「外向的思考」は、物事の仕組みの中にある無駄や手間を徹底的に省く”合理化”を強く求める心理機能です。計画にある問題点や非効率的な個所に速やかに気付き、それを解消する策を立案することが得意です。客観的な視点から物事や現在の状況を分析し、取るべき手段を検討します。また”有用である”ことを何よりも重視するため、時に”正確性の検証”は無視されます。
「外向的思考」を優勢機能に保有する場合、合理性を強く求めるようになります。組織やシステム運用に関しては「徹底的に無駄を省きたい、そのためには自分が指揮権を得る必要がある」とのスタンスを取るため、自ずと上昇志向を持つようになるでしょう。実際、このタイプは指揮官としては非常に有能となります。ですが合理化を進めるあまり、最低限の配慮すら省くようになって、反感を買うこともあるでしょう。
補助機能として保有する場合は、優勢機能である「内向的直感/感覚」により収集した情報を処理するためのツールとして、この心理機能を使用します。収集した情報の取捨選択を速やかに行い、今の状況にはどの情報が役に立つのかを見極めることが得意です。また、情報を適宜得ながら計画を立案することができるため、懸念事項の予測も得意であり、有能なブレーンとなるでしょう。
このタイプは基本的に「経験的証拠」を高く評価する傾向にあり、先述の通り、それが使えるものであるという過去の実例があるのであれば、正確性は重要視しません。「全ての人が暗黙のルールに従うことにより秩序が保たれるのなら、その暗黙のルールが論理的に正しくなくても別に構わない」と考える傾向が強いため、権威に歯向かう人物を嫌います。
内向的感情: INFP, ISFP, ENFP, ESFP
INFPとISFPは「内向的感情」を優勢機能として、ENFPとESFPは補助機能として保有しています。
「内向的感情」は、自分にとって何が重要であるかを自問自答し続ける心理機能です。このタイプは自分の信じるものを頑なに信じ続け、自分の信念に反するような行いをしようとはしません。周りの状況に流されて誤った決断を下すことを恐れていて、常に”自分”を貫き通すことを大事にしています。
「内向的感情」を優勢機能に保有する場合、かなり我の強い性格となるでしょう。自分独自の正義感や道徳観の下に行動し、それを不当に非難されることを嫌います。このタイプの大半は個人主義的な傾向を持ち、「自分」と「他者」の線引きは極めてシビアです。他者に干渉されることを望まない分、このタイプは他者に干渉することもしません。自分の個性を重んじると同時に、相手の個性も尊重するのです。
補助機能として保有する場合は、優勢機能である「外向的直感/感覚」により収集した情報の”正しさ”を判断するために、この心理機能を使用します。このタイプは何かしらの行動を起こす前に、「自分にとってこの決断は正しいものなのか」「これは自分の本当にやりたいことなのか?」と自問自答をするでしょう。それにより「正しい」と思えた場合にはその心に従って行動し、反対に「間違っている」と思えた場合には信念に従って拒否します。
このタイプは言葉よりも行動を重んじ、態度で自分の意見を表明していくでしょう。協調性に囚われた結果、行動を起こす人々の後ろ指をさすことしか出来ない人々を嫌っています。
外向的感情: ENFJ, ESFJ, INFJ, ISFJ
ENFJとESFJは「外向的感情」を優勢機能として、INFJとISFJは補助機能として保有しています。
「外向的感情」は他者と繋がり、共感することを希求する心理機能です。相手の幸せを共に喜び、相手の悲しみに共感して慰め、相手と同じ気持ちで喋り、同調することにより、このタイプは安心感を見出します。そして社会的なマナーを尊び、協調性を重んじます。穏やかな空気感を生み出す要因として、マナーを守ること、協調性を持つことが挙げられると信じているからです。
優勢機能に保有する場合、より会話に重きを置き、共感することに自分の存在意義を見出すようになります。会話や共感、そして思いやりにより相互作用を重要視していて、それを軽視したり返さない相手を軽蔑する傾向にあります。これはマナーを守らない相手、協調性のない相手にも同じで、そういった相手をこのタイプは時としてコミュニティから排除することがあるでしょう。
補助機能として保有する場合は、優勢機能である「外向的直感/感覚」により収集した情報の”正しさ”を判断するために、この心理機能を使用します。このタイプは何かしらの行動を起こす前に、「自分の言動が誰かに不快感を与えないか」「誰かに損害を与えたりしないだろうか」ということを十分に検討します。誰かに不快感を与える可能性がある場合は行動を躊躇い、誰にとっても利があると思えるときには積極的に行動を起こします。
このタイプはどちらかといえば行動よりも言葉を重んじ、言葉により相手を思いやり、共感することを大事にするでしょう。また協調性を尊ぶため、波風を起こすような自分勝手な言動を取る人には冷たい視線を送ります。
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