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【エニアグラムタイプ別】「幼少期から引きずる潜在意識からのメッセージ」について Part.1

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「The Wisdom of the Enneagram」の著者であるドン・リチャード・リソ氏とラス・ハドソン氏によると、私たちそれぞれが「幼少期から引きずる潜在意識」を持っていて、その無意識は「根源的な欲求と恐怖というメッセージ」を発し続けているそうです。

ある人の潜在意識が発するメッセージとは「信頼できる”誰か”を獲得すること」であり、「自分自身を信じることができないこと」。

またある人の潜在意識が発するメッセージは「自分の意見を自由に言える環境を見つけること」であり、「誰かの手を煩わせてはいけないこと」。

――これら潜在意識のメッセージはあなたの意思や理性を差し置いて、人生に大きな影響をもたらし、他者との関係性のあり方を決定したり、自分の行動を制限したり、内的世界に光や影をもたらしたりします。

この”潜在意識からのメッセージ”は、意識しようとしなければ理解することができず、あなたを「正体不明の暗闇」に置き去りにすることもあるかもしれません。今回はエニアグラムタイプ別に「潜在意識が何を求め、何を恐れているのか」に注目していきましょう。

「幼少期から引きずる潜在意識からのメッセージ」

タイプ1の場合: 「ミスを犯しても、さらりと許される環境が欲しい」ないし「良い子であると褒められたかった」

タイプ1は「常に誠実で高潔であること」を自分に課し、他者にも求めます。そして精いっぱい努力を重ね続け、自分が「信頼に足る人物」であり続けようとします。課された義務を実直にこなし、決して適当な仕事をしようとはしません。多くの場合、タイプ1は家族から誇りに思われていて、頼りにされる機会も多くあるでしょう。

誠実で高潔で立派、隙がない。タイプ1は確かに、その通りの印象を与えます。けれども、タイプ1の潜在意識は真逆のメッセージを彼らに送り続けています。

「失敗を犯してはならない、それは許されない行為なのだから」――これがタイプ1の潜在意識が訴える、主たる恐怖です。

子供のころのタイプ1は、自分のペースで学習していくことによって、学力・成績が周囲に置いていかれることを強く恐れていたはずです。何故ならば、周囲においていかれた時には親に怒られたことがあったから。

そして小さなことでも大きなことでも、何かしらの失敗をした時には、保護者からきつく叱責されたり、人格否定まがいの言葉を投げかけられたこともあったかもしれないでしょう。

このような経験を重ねた結果、タイプ1は完璧主義的になり、細部に異様にこだわるようになったり、「ミスを犯さない」ことに執着するようになります。そして自分自身に高いノルマを課し、自分の首を自分で絞めるようになるのです。

「失敗は許されない」と訴える潜在意識が本当に求めているのは「失敗を許してくれる環境」です。そして、タイプ1自身に「自分に対して、もう少しゆとりを持とう」と呼び掛けています。

失敗や間違いは「恥ずべきこと・許されざること」ではなく、「一つの経験・成長の機会」です。

そして常にベストを尽くそうとすると、エネルギーが枯渇して燃え尽きてしまいます。「手を抜けるところは抜き、ショートカットできるところはショートカットをする」ことを心がけ、「これだ!と感じたものには全身全霊をかける」ようにしていきましょう!

タイプ2の場合: 「自分の願望を聞いてくれる人と出会いたい」ないし「自分がただ自分であることを、認めてほしかった」

タイプ2は、献身を第一に掲げて行動をするパーソナリティです。これは物心がついたばかりぐらいの頃から、「自分を犠牲にして、人のために何かをしたら保護者から褒められた」というような経験を繰り返したことにより、定着した性格傾向です。子供のころは積極的に他の兄弟姉妹の世話をしたり、家事を手伝ったり、お小遣いを全て使って親へプレゼントを贈ったりしていたことでしょう。

タイプ2はその特徴から、世間をうまく渡り歩くことができます。人の為に行動するその姿勢から、お世辞を言うのがうまかったり、面倒見が良かったりと、自然と好かれるからです。その反面、利己的な人物に捕まった時には徹底的に利用されることがあり、ある種の「燃え尽きるような瞬間」を経験することや、共依存の関係を築いてしまうこともあります。自分で自分を酷使し、知らず知らずのうちに怒りや疲労、ストレスをため込む場合もあります。

さて。それでは、あなたがタイプ2である場合は、ここで一旦立ち止まって考えてみましょう。今後の人生についてを。

もしかするとあなたは、「自分の願望」=「ワガママ」だと感じているフシがありませんか? だとしたら、今後のためにもその認識を改める必要があるかもしれません。

あなたは今、怒りや苛立ちを誰かに感じていたりしていませんか? 「なんで、こんな簡単なこともできないのか!」「どうして気を使ってくれないの?」「こんなに尽くしてるのに、感謝の一つもない!」……そのような感情で気をもむ前に、振り返ってみましょう。「あなたは相手に、自分の感じていることをちゃんと伝えたのか?」と。

エスパーのように相手の感情を察知してくれる人々は、そうそう滅多には現れません。多くの場合、思いや感情は「言葉にして表さなければ伝わらない」ものなのです。これはタイプ2にとって、とても大きな障壁となる可能性がありますが、しかしこれは踏み出さなければいけない一歩なのです。

「自分にもやるべき仕事があるから、あなたの面倒まで見てられません」「これだけのことをしてあげてるんだから、感謝のひとつぐらい言ってほしい」「眠いから寝かせてください」など、自分自身を労わるために、思いを言葉にして表すことを始めましょう。

タイプ3の場合: 「自分らしさの確立が恥ずかしいことと思われない環境に居たい」ないし「ありのままの自分自身を愛してほしかった」

タイプ3は「より多くの物事を達成し、成功を掴むこと」に重点を置き、獲得したトロフィーや賞状の数々こそが「自分の価値」だと感じているきらいがあります。これは「何かしらの物事において優秀な成績を残した時ぐらいしか、保護者が褒めてくれなかった」という経験を繰り返したことにより生まれた性格傾向です。

なのでタイプ3は自分自身の価値を、自分に、そして周囲の人々に知らしめるために「成功を象徴するもの」を集めようと躍起になります。満点のテスト、大会の優勝トロフィー、入賞の賞状、業績1位の栄光などなど……成功を盲目に追い求めれば追い求めるほど、タイプ3は苦しみます。

成功を手にすれば妬まれることもありますし、手段を選ばずに行動を起こせば敵を作り、それによって心無い言葉を投げかけられたこともあるでしょう。さらに成功を掴めなかった時は、これまでの努力が全て無駄だったように思えて、苦痛としか言い表せない感情に苛まれます。

ここでタイプ3が取るべきことは、周囲の声をひとまずシャットアウトして「潜在意識の声」と対話することです。まず、自分自身に問いかけてみましょう。「自分が必死に頑張っていることは、果たして誰のためにやっていることなのか?」と。自分自身のためですか? それとも幼少期から引きずる呪縛によるものですか?

「うーん……?」と答えがよく分からない場合は、ひとまず自分自身の過去を振り返ってみましょう。成功を追い求めるあまりに経験した、苦い経験、つらかった瞬間……――「それらが本当に、今の自分の役に立っている経験だったのか?」と考えてみましょう。ただ徒に傷ついただけではありませんでしたか?

その瞬間の成功だけを純粋に追い求める人生は、自ら築いた屍の山の頂点に立つようなものです。歩んできた道の後ろに何かが残っていない人生、いざという時に頼れる本当の友人が誰一人としていない人生、想像するだけで虚しくはありませんか?

虚しさを見つめた後は、自分自身と向き合いましょう。自分が本当に何を為したいのかを見極めてください。そして、信頼できる人物を探しましょう。本音を打ち明けられる存在が、タイプ3には必要なのです。

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ABOUT ME
魔王
「今すぐ使える心理学」を立ち上げた張本人であり、過去に性格心理学の研究・恋愛心理学の研究を行なっている中で、誤った知識が世の中に蔓延していることに課題を感じ、学術レベルで心理学を学び、企業向けにコンサルティング業務を行っています。 - 九州大学出身、「性格心理」や「芸術」について学ぶ。性格心理学を用いた製品開発やチームマネジメントの第一線で活動中、現在メディア事業部マネージャーとして性格心理学を実践しています。