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エニアグラムは、精神的な成長を促進するためにはとても役に立つ優れたツールです。それは個々のパーソナリティが抱える課題を浮き彫りにし、それにより努力すべき方向を明確に示してくれるため、継続的な成長を可能にする枠組みを与えてくれるでしょう。
またこのツールを、チームを率いるリーダー役が用いることで、チーム全体の能力の向上が期待されます。
とはいえエニアグラムは他のツールと同様に、正しい使い方を知ることが重要となります。そうでないと、効果が十分に発揮されないからです。またエニアグラムを誤用すること(パーソナリティに優劣をつける等)は、危険な結果をもたらすことに繋がる場合もあります。
そういうわけで、エニアグラムを効果的に使用していく上で必要となる、いくつかのヒントを提供したいと思います。
もくじ
「誰かを必ず、特定のタイプに分類しなければならない」という思い込みは捨てる
同僚たちや部下たちを注意深く観察し、見つけた一人一人の個性や特徴を基に、彼らをパーソナリティタイプに当てはめていくことは、もしかするとあなたは楽しいと感じるかもしれません。しかし、完全に特定のパーソナリティタイプにきれいに収まる人物などいないことを、あらかじめ理解しておく必要があるでしょう。
他者の目に見えている表面的な姿だけでは判断できないことも多く、そして当事者にしか分からない内面は、特定のパーソナリティタイプにぴたりと当て嵌まるほど単純なものではないはずです。なので「普段の彼女はタイプ1にも思えるけれども、ある場面ではタイプ3であるようにも思える」ということが起こるのは、至極普通のことなのです。
また場面に応じてパーソナリティタイプを柔軟に変える等、いくつかの顔を使い分けをしている人も中にはいます。つまり「彼女はタイプ1だ」や「彼はタイプ4だ」と断定してしまうことは視野を狭めることにつながり、時として対応を誤ってしまうことになるかもしれません。
エニアグラムへの理解を深めることは、とても重要です。しかしエニアグラム分類によるタイプは、あくまでも参考程度に留めるようにしてください。タイプ分類に固執すると、個々人が持つ本当の個性や特徴を見失ってしまい、そういったものを潰しかねない結果へと繋がってしまうでしょう。
エニアグラムは言い訳には使えない
人は誰しも何かしらの傾向や偏りを持っていて、その傾向からおおまかなパーソナリティタイプが割り当てられます。そうして割り当てられたパーソナリティタイプから、各々が抱える課題を明確化させ、“バランスの取れた”人材に育てていくことが、エニアグラムの目的です。
なのでエニアグラムから導き出された課題を克服したことによって、そのパーソナリティタイプの要素がより顕著になるということはないでしょう。特徴がより引き出されるようになる、というわけではありません。簡単にいえばエニアグラムとは、凹凸の凹の部分をいかに埋めていくのか、その努力の指針を立てるためのものなのです。凸の部分を、より伸ばすためのものではないのです。
しかしエニアグラムによるパーソナリティタイプ分類は、よく言い訳の材料として使われます。「私はタイプ7なので、楽しくないことが嫌いなんです」や「僕はタイプ5なので、コミュニケーションが苦手で仕方ない」など。
エニアグラムによる分類への誤解が間違った固定観念を作り出し、人々が自ら自分の可能性を制限してしまうような事態は避けなければなりません。
エニアグラムは相互理解を助けるキッカケとなる
私たちは自然と、各々少しずつ異なっている主観を通して世界を見ています。そして人々は、それぞれ異なる考えを持っています。そのため、異なる考えを持つ他者の行動とその動機を、時として理解することができない瞬間が訪れます。異なる幅が広ければ広いだけ、相互理解は遠のいてしまうでしょう。
そこでエニアグラムの出番なのです。エニアグラムの知識を身に着け、それぞれのパーソナリティタイプが持つ特徴を理解することができれば、相手が当て嵌まるパーソナリティタイプから、相手のおおまかな性格特徴を知ることができ、そこから相手への理解を深めることができるようになるでしょう。
相互理解を深めるためのキッカケとしてエニアグラムを使用すると、エニアグラムへの好奇心を喚起されます。エニアグラムを知ることにより、そのツールを使って相手のことをもっと理解しようと思えるようになるでしょう。そうしてエニアグラムから得られた理解は、チームメンバーたちに相手への思いやりというものを与えるはずです。
リーダーとして、あなたのチームを指導し発展させる方法を知るために、エニアグラムを積極的に活用してください
あなたがチームメンバーの一人ひとりを理解しようとするとき、あなたは信頼と影響力を築くことができるでしょう。
また一人ひとりが保有する中核となる動機と、特徴的な弱点、そして恐れていることを把握することができれば。一人ひとりに合った指導方法を見つけることや、最適な励ましと的確な助言を与えるために必要となる洞察力が得られます。
たとえば大部分がタイプ2に当てはまる人材がいるとき。彼らは周囲の人々を積極的に助けようと動くでしょうし、そのため自己犠牲的になってしまう可能性があります。
そしてあなたにエニアグラムの知識があれば、あなたはタイプ2の人材に「自分は自分、他者は他者だと切り分けて、ちゃんと境界を設けるようにしなさい」と指導することが出来ます。また、タイプ2の人材が持つ自己犠牲的な傾向を悪用し、彼らを利用している別のチームメンバーを発見し、注意深く目を光らせておくこともできるようになるでしょう。
エニアグラムを活用すれば、チームメンバーの自己認識を高め、偏りのない健全なチームを運営することができるようになるでしょう。また、これはチーム内での信頼を築くためにはもってこいの素晴らしいツールです。
とはいえ、あくまでもエニアグラムは「便利なツール」のひとつでしかありません。これに頼りすぎず、チームメンバーたちと適切なコミュニケーションを取って、より詳細に一人ひとりの特徴を理解していくよう努めていってください。
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