ユングのタイプ論に基づいた性格診断テストでは、あなた自身の性格タイプを知り、自分自身や周りの人々を理解することにつながります。MBTIや16TEST、16Personalitiesなど様々な性格診断がありますので、まずは試してみませんか?
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もくじ
ユングとは?
ユング(Jung, Carl Gustv 1875~1961)とは、有名な精神医学者で、心理学に多大な業績を残された方で、私たちがよく目にするキャラクター性格診断テストや、心理テストの元祖となるような理論である、タイプ論を掲げられた心理学界の偉人です。
今でも、ユングが残したこのタイプ論に基づき、多くの人が影響を受けています。
今回は、MBTI性格診断の大元となっている、タイプ論について記述します。
外向性と内向性
MBTIテスト(16タイプ性格診断)の中で、外向性・内向性という言葉が出てくるので、この言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。
内向性・外向性は言葉から連想できるように、内向的な性格・外向的な性格というイメージかと思いますが、タイプ論としては少し異なります。以下に内向性と、外向性について違いを示しました。
外向性
内向性
ざっくりと理解するには、物事を考えるときに、自分から世界を見ているか、世界から自分を見ているかの違いがあります。内向的思考を持っている人は、自分がどうありたいかと考える、外向的思考を持っている人は人類がどうあるべきかを考える、と理解すると容易でしょう。
ミクロな視点かマクロな視点かという風に言い換えることもできます。(外向はマクロで、内向はミクロ)
すなわち、内向性と外向性は、物事を捉えるときに自分の内側から考えるか、自分の外側から考えるかの違いがあるということです。
ここで注意なのは、外向的というイメージをすると、「陽気で明るい人」、一方で内向的というイメージをすると「陰気でオタクっぽい人」とイメージをするかもしれませんが、実際には内向的思考の人の方が周りの人がどうかという思考が薄く、陽気で明るいことがある点です。
あくまで、内向性・外向性は物事を思考するときの方向であるという点に注意が必要でしょう。
補償という考え方
MBTI診断テスト(16タイプ性格診断)で、もしあなたが内向的と判定されたとしましょう。
ここで注意していただきたいのが補償という考え方になります。補償とは、内向的な思考を持っている人でも外向的な思考を持っているという考え方で、外向的思考の人は本来持っている内向的思考を抑えて生活している、内向的思考の人は本来持っている外向的思考を抑えて生活しているいう風な考え方です。
内向性と判定された場合には、日常生活で、自然と使っているのが内向性思考であり、外向性思考を持っている場合もありますし、極端に使っていない場合もあるということです。
実際には、苦手な思考であり、いつも大人しい人が酒癖が悪いというギャップのように、補償の関係にある思考はコントロールしにくい、理解しにくい思考であると言えます。
タイプ論における感覚・直観・思考・感情
ユングのタイプ論では、外向性・内向性による分類を発展させ、人間の特徴である感覚・直観・思考・感情の4つの機能に注目しました。
このタイプ論における「感覚」とは、食感や触感など五感による体験のように実際にあるものに対する感覚です。「直観」とは、抽象的に漠然と物事を捉えるようなこと、例えば未来を予想することなど実際にないものに対する閃きのようなものです。
そして、タイプ論における「思考」とは、その言葉の通り物事に対する考え方や、論理性・筋の通し方といった意味合いであり、「感情」とは人の気持ちをうまく感じ取ったり喜怒哀楽のコントロールに関する事です。
これら4つの機能のうち、情報の取り入れ方・情報の判断の仕方という区切り方より
タイプ論では感覚と直観、思考と感情を対の関係としています。
例えば、物事を判断する際に、人の気持ちを考えて判断するのかあるいは、筋が通っているかどうかで判断するのかでは対立関係にあるように、この場合だと「感情」の傾向を持っている人は人の気持ちを考え、「思考」の傾向を持っている人は論理的に正しいかで判断します。
タイプ論における8タイプ
ユングは、感覚・直観・思考・感情の4タイプをさらに外向性・内向性を加えた8パターンで性格の分類を行いました。MBTIの16タイプでは各性格ごとに、この8種類の機能による得意・不得意・人生の鍵となる機能を持っていることがわかります。
外向的直観(Ne)について
外向的直観を主機能としてもっている16タイプ
ENTP,ENFP
外向的直観を補助機能としてもっている16タイプ
INTP,INFP
外向的直観を劣勢機能としてもっている16タイプ
ISFJ,ISTJ
外向的直観とは、世界を客観視し、世界の潜んでいる隠れた真実や可能性を見出す気質のことです。外向的直観が優れていると新しいアイデアを生み出すことが得意で、そのアイデアを実現するために行動に移します。そのために、起業家に多い資質であり、ギャンブラーのような気質とも言えるでしょう。外向的直観に優れていると、何かを発明したりチャレンジする時には必要な気質と言えるでしょう。
この外向的直観の劣勢機能は内向的感覚になります。内向的感覚が劣勢にある場合には、シンプルに日常生活がかなり不器用なことがあります。洗濯や掃除など家事が出来ないとか、外向的直観からなるアイデアを実現するために体に鞭打って生活習慣が崩壊させる、といった具合です。内向的感覚の衝動が暴走した場合には、繊細になり細かい事が気になりすぎることもあります。
外向的直観が優れていると、ADHDのような症状を伴うことも多いと言われています。
内向的直観(Ni)について
内向的直観を主機能としてもっている16タイプ
INTJ, INFJ
内向的直観を補助機能としてもっている16タイプ
ENFJ,ENTJ
内向的直観を劣勢機能としてもっている16タイプ
ESTP,ESFP
内向的直観とは、人間本来に潜んでいるような可能性を見いだせるような気質のことです。
外向的直観は物事を人々を考えますが、内向的直観は人と考えます。この内向的直観が優れていると、普通の人には見出せないような本質を見抜くことができたり、一見関連性がないような物に関して隠れた関連性を見抜いたりすることができます。内向的直観が優れていると、新しい文化を築いたり、素晴らしいアートを生み出すことができる資質を持っていると言えるでしょう。
偉大な哲学者である、ショーペンハウアー・ニーチェ・ヴィトゲンシュタインといった哲学者もこの内向的直観の傾向があり、一見他人には共感されない隠れた真実を見抜く洞察眼を持っています。
一方でこの内向的直観の劣勢機能は、外向的感覚になります。外向て感覚が劣勢にある場合には、周りの人への愛情表現が苦手であったり、物や事をどういう風に扱うのかということを考えるのが苦手なために周りの人に天然と言われるようなところがあるでしょう。
外向的感覚(Se)について
外向的感覚を主機能としてもっている16タイプ
ESFP, ESTP
外向的感覚を補助機能としてもっている16タイプ
ISTP,ISFP
外向的感覚を劣勢機能としてもっている16タイプ
INFJ,INTJ
外向的感覚の主な特徴は、「今を生きる」「今を楽しむ」ような、現実主義者であるところです。
このタイプの人は五感を使い、アウトドアな趣味を楽しんだり音楽を演奏する・ライブに訪れたりと人一倍感覚を研ぎ澄ますような体験に取り組みます。そんな様子から、日常生活を最もエンジョイしているような印象を受けるでしょう。また手先が起用である傾向があり、ミュージシャンや技術者などにも適性があります。一方で外向的感覚に優れていることで、今を楽しみすぎるところからアルコール中毒患者にも多いです。
一方で、劣勢機能は内向的直観となります。内向的直観は自分を起点とするようなアイデアの彷彿、一見関連性がなさそうなものを原理原則や共通性・関連性などから一つのイメージに集約することで、斬新なアイデアを生み出すような点ですが、そういった型破りの問題解決が必要な際には弱点となることもあります。
また内向的直観が劣勢にある場合には、内向的直観の暴走により現実離れしたような話を盲信してしまうところがあるでしょう。
内向的感覚(Si)について
内向的感覚を主機能としてもっている16タイプ
ISTJ, ISFJ
内向的感覚を補助機能としてもっている16タイプ
ESTJ,ESFJ
内向的感覚を劣勢機能としてもっている16タイプ
ENFP,ENTP
内向的感覚の主な特徴は、五感を使った体験を好み、手先が器用な点もありますが、特に自分の中で妄想するようなところです。すなわち、このタイプは聞くこと・見ることなどを通して、感じることに長けているので、人と違ったイメージをはりめぐらせます。そういったところから芸術面で長けているということも多いでしょう。内向的感覚に特徴がある場合には、特に社会的な野心はない場合も多く、何気ない毎日を楽しんでいる為に、意外にも周りにも多くいるタイプだったりします。
このタイプの人は、劣勢機能には外向的直観があります。外向的直観が劣勢にあると、落ち着きすぎており、少し優柔不断でチャレンジ力にかけてしまうような控えめなところが短所になります。
控えめで落ち着いている雰囲気から、仕事を押し付けられたり、利用されたりとそういった問題にも遭遇することが懸念されるでしょう。
外向的思考(Te)について
外向的思考を主機能としてもっている16タイプ
ESTJ, ENTJ
外向的思考を補助機能としてもっている16タイプ
INTJ,ISTJ
外向的思考を劣勢機能としてもっている16タイプ
ISFP,INFP
外向的思考は、世界を客観的に見て物事を考えるような思考方法です。
外向的思考に優れている人の特徴としては、物事の計画性があり、地に足がついているやり方でどんどん成果を出していきます。
このタイプの人は、行動力を伴っていることが多く、リーダー気質がある傾向にあります。
学歴が高い傾向があり、競争に強いのが特徴と言えるでしょう。
一方で、度がすぎると王様のような圧をかけてしまったり、社会での地位を求めすぎるあまり摩擦を生み出してしまうこともあります。
外向的思考を持っている場合には、劣勢機能(弱点)に内向的感情が伴っているとされており、自分の感情が少し薄く、他人から見ると冷酷な人間のように映ることがあるという欠点があります。
外向的思考を主に使っている場合に、物事を客観的に見すぎるが故に、自分の感情を言語化できないというのがこの機能と言えるでしょう。
内向的思考(Ti)について
内向的思考を主機能としてもっている16タイプ
INTP,ISTP
内向的思考を補助機能としてもっている16タイプ
ENTP,ESTP
内向的思考を劣勢機能としてもっている16タイプ
ESFJ,ENFJ
内向的思考は、一言で言うとかなり自分の考え・思想にこだわりがあるタイプと言えるでしょう。
現実的と言うよりは、夢のあるタイプで、独自の方法・考え方で問題を解決するような独創的タイプと言えるでしょう。良い意味で、強い思想家気質だと言えます。本当の意味で「学問」に長けていて、哲学者のような気質で、頑固さも目立ちます。
内向的思考の傾向としては考え方が抽象的すぎたり、非現実的な思いを巡らせていることも多く、地に足がついていないと評価されることも多いですが、内向的思考を身に付けることで型にハマらない独創的な発明が生まれることを考えると無視できないでしょう。
内向的思考を主機能で持っている場合、劣勢は外向的感情です。すなわち、一見すると愛想が悪いようなタイプ、厳しい表情なタイプなのですが、打ち解ければ実際は仲良くできるタイプです。劣勢に外向的感情がある場合には、好意や感謝の表現が苦手な傾向があり、ムキになりやすかったり酒の場で伝説を残すのはこの劣勢が外向的感情であることも多いと言われています。
外向的感情(Fe)について
外向的感情を主機能としてもっている16タイプ
ENFJ, ESFJ
外向的感情を補助機能としてもっている16タイプ
ISFJ,INFJ
外向的感情を劣勢機能としてもっている16タイプ
INTP,ISTP
外向的感情の主な特徴は何と言っても人付き合いの上手さ、世渡り上手であることが言えるでしょう。他人の痛みが強くわかるような、思いやりのあるタイプで更には、泣いたり笑ったりを人と共にできるようなタイプと言えるでしょう。このタイプの人は、気難しい人とも仲良くなれることが多く、人と人を繋ぐような、良い意味では巻き込み力・包容力がある、悪い意味では利用されやすいという点が特徴と言えるでしょう。良い奴率が高いです。
一方で、外向的感情を主機能灯っている場合には劣勢機能は内向的思考になります。
内向的思考は自分の中の強い価値観と内省といった特徴がありますが、劣勢が内向的思考である場合には、本当の自分の思考がないというか、ずっしりとした自分の芯・思想が見えないような欠点があるでしょう。何を信じて良いかわからずに、よく分からない宗教を信じ込んでしまう、というような欠点があるでしょう。
比較的大きい組織をまとめてくれるマネージャーには必要な資質とも言えるでしょう。
内向的感情(Fi)について
内向的感情を主機能としてもっている16タイプ
ISFP, INFP
内向的感情を補助機能としてもっている16タイプ
ENFP,ESFP
内向的感情を劣勢機能としてもっている16タイプ
ESTJ,ENTJ
内向的感情の主な特徴は、自身の感情のコントロールに長けている、駆け引き上手なクールキャラのような気質であることです。内向的感情の傾向が強ければ強いほど、独特の世界を自分の中に持っていそうな印象を受け、「世界にとって自分ができること」のような人のためになることに対して情熱を人一倍燃やすことができる特徴があります。好き嫌いがはっきりしています。
一方で、内向的感情の劣勢機能は外向的思考となります。外向的思考が劣勢機能である場合には、心が繊細でパニックになりやすいことが言えるでしょう。物事を客観的に見たり、俯瞰したりすることが苦手であるために、一杯一杯になってしまう傾向もあるでしょう。そして、些細なことなのに過剰に反応してしまったり、この劣勢外向的思考であるためにある種のメンヘラを引き起こしたりしてしまいます。
①MBTIへのいざない - ユングの「タイプ論」の日常への応用
16タイプ性格診断 - MBTIを知りたいあなたは絶対に読むべき1冊。入門書としても応用本としてもトップクラスに評価されている本で、お値段こそすこし高いですが基本的な考え方を体系的に説明してくれている1冊になります。1冊目を探しているあなたにも、ざっくり理解しているあなたも必読です。
②ユング心理学でわかる8つの性格
心理機能を知りたいあなたへお届けする1冊になります。16性格診断を勉強しているとFeやNiといったアルファベットが出てきますが、そのようなアルファベット(心理機能)を理解することで16性格診断を理解することができます。この本も入門書としてはとても優秀で、オススメの一冊です。
③新版エニアグラム【基礎編】
9タイプ性格診断 - エニアグラムを知りたいあなたは絶対に読むべき1冊。エニアグラムの本は数多くありますが、筆者はこの本が最も理解しやすく感じました。9タイプの特性をまずは理解したいあなたに、エニアグラムをもっと理解したいあなたにオススメの一冊になります。