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人は成長するに行動が変化していき、次第に「個性」というパターンが生まれていきます。そして徐々に「個性」が定まっていく中で、意見の相違から喧嘩をしたり、葛藤することがあるでしょう。つまり子供時代は、何かと傷付きやすいのです。
ある子供は「存在感を消して、空気に溶け込む。目立つことはしないほうがいい」という考えに至ります。何かを喋った途端に波風が起きて、周囲から攻撃されるという経験をしたからです。
ある子供は「強くならなきゃ。なんでも出来る大人にならないといけない」と覚悟を決めます。この覚悟は、責任感が足りない親に育てられたり等により、親兄弟の世話を子供時代からさせられていたことによるものです。
またある子供は「全ての人を等しく受け入れるべき。意見の相違はあっても、攻撃してはけない」と思うようになります。両親や友人たちが繰り広げる下らない喧嘩を見続けた結果、「相手の話を聞かない人」に嫌気が指してしまったのでしょう。
――大小は異なるでしょうが、このように人はそれぞれ子供時代に何らかの傷を負っているものであり、それにより何らかの考えが生まれているものです。
それでは、あなたの経験した出来事は傷は何でしたか? それによりあなたは、どんな人物に成長したのでしょうか。幼年期がその後の人生に及ぼす影響について、今回は書いていきたいと思います。
【エニアグラムタイプ別】幼年期に負いやすい傷とその後の影響について
タイプ7: 養育者の欠如
タイプ7に該当する人々は子供の時に、養育者との間にどこか距離があると感じていたでしょう。母親か、父親か、祖父母か、その全てか、ともかく養育者ないし保護者に対して、「いつでも頼ることができる存在」だとは感じていなかったでしょう。
タイプ7にとって養育者とは、常に忙しくしていた存在。親は仕事を理由に家を留守にしているもので、「鍵っ子」として育ったタイプ7も少なくはないでしょう。
この「養育者の不在」により、タイプ7は家の中でしばしば寂しさを体感していたはずです。そして寂しさを埋めるために、タイプ7は自分の中に「なんでもできる楽しい世界」を生み出します。
自分の思うままに空を飛べる世界、自分が望む通りに車を運転できる世界、自分が行きたいと思う場所に自由に旅行できる世界……そんな空想に思いを馳せ、タイプ7は寂しさを紛らわせていたでしょう。
そして大人になってある程度の自由と行動力を手に入れた時、タイプ7は子供の頃に夢見た世界を実現させるために、行動を起こします。友人や恋人を車に乗せて一緒に遠出したり、ウィングスーツで空を滑空するアクティビティに熱中したりするのは、子供の頃に得られなかった世界を「手に入れる」ための行動なのです。
タイプ8: 子供らしさの拒絶
タイプ8に該当する人々は子供の時に、家庭内の空気感が”安心できない”と感じていたでしょう。
親から愛情を受けてこなかったわけではありませんが、その愛情は「~ができるようになったら、褒めてあげる」「~のテストで満点を取ったら、能力を認めてあげる」といったように、何らかの”条件付き”で与えられることが多かったため、あまり親を信頼できなかったのです。
つまり彼らにとって家庭の中での居場所は「親が無条件で与えてくれるもの」ではなく、「強さや実力を証明できないと、獲得できないし維持できないもの」。時には兄弟姉妹や友人を悪く言い立て、蹴落とさないと、家庭内での居場所を確保できなかったでしょう。
そんなタイプ8は子供の時に、親の前では泣けなかったはずです。泣くといった「弱さ」を親に見せると、親はその弱さを責め立てたからです。彼らにとって親は、嫌なことがあった時には慰めて相談に乗ってくれる存在ではなく、「悲劇の主人公ぶるな!」といった冷たい言葉を投げつけてくる存在だったのです。
そんな環境下で育ったタイプ8は、自然と「強くならねば」と考えるようになったでしょう。親が保護者らしい役割を果たしてくれない以上、彼らには強くなる必要があったのです。そして実際に、タイプ8は強さを獲得したでしょう。些細な陰口程度では動じないような、強靭な精神を得ているはずです。
とはいえこの強さは、諸刃の剣であるといえます。子供の頃から「他を蹴落として、自分の場所を確保する」という習慣を続けているタイプ8は、社会においてもその能力をいかんなく発揮し、タフでアグレッシブな人物となりますが。これが原因で、人間関係において苦労することになります。
親を信頼できなかった彼らは当然、自分以外の人間を信頼できなくなりますし、親が彼らにしたように、彼らは他の人間を軽視するようになります。それによりタイプ8はしばしば周囲の人々を傷付けますし、それが原因で頻繁に罰を受けるでしょう。この傾向が原因で、彼らには腹を割って話せるような間柄の友人が得られ難いのです。そしてより一層、他の人間を軽視するようになります。
小学校や中学校といった子供時代に、何らかのトラブルが原因で罰せられる機会が多かった場合、タイプ8は無機質で冷徹な人物に成長する可能性が出てくるでしょう。周囲から拒絶されればされる分だけ、タイプ8はより心を閉ざしていき、攻撃的な態度を取るようになるはずです。
タイプ9: 本音の拒絶
タイプ9に該当する人々は子供の時に、家族から十分な愛を受けて育ちました。これは良い場合もありますし、悪い方向に転がる場合もあります。
調和のとれた、健全で支援的な家庭環境において、タイプ9は何不自由なく育ってきたでしょう。タイプ9が何かに興味を示せば、家族はそれを応援してくれたでしょうし。兄弟喧嘩が起きたときには、親が適切に介入し、問題を「解決」する方法を提示してくれたことでしょう。
この環境はタイプ9に「共感力」を育み、彼らに相手の心模様を察する能力を与えるでしょう。この能力はタイプ9に「人のニーズを素早く汲みとり、それを解消するために働く」という、奉仕の精神を植え付けます。
しかし、このタイプの問題点はこの”共感力”なのです。共感力が強いあまり、彼らは波風を立てるような「否定的な意見」や「一石を投じるような反論」を受け取り、処理することを苦手としています。これらに遭遇した時、タイプ9は反射的に「拒絶」という反応を取って、現実をシャットアウトしてしまいます。現実を拒絶しないと、周囲の人々の揺れ動く感情が一気にタイプ9へと雪崩こんできてしまい、パニックを起こしてしまうのです。
例えば、両親が別の部屋で壮絶な口論を繰り広げている時、タイプ9は自分の部屋に鍵をかけて籠り、ヘッドフォンを装着して音楽に集中しようとするでしょう。現実を「拒絶」し、自分の感情から目を逸らそうとするのです。
そして学校内で意見の食い違いによる喧嘩が起きた時も、彼らはその喧嘩に見てみぬふりを決め込んで、関わらないでおこうとするでしょう。タイプ9は背景になることに徹し、現実から目を背けて、不干渉を貫くのです。
成長し、成熟していくにつれ、タイプ9は少しずつ「全ての人に共感する必要はない」と考えるようになり、「混乱が起きると、現実にシャットアウトを決めるクセ」に対しても必要以上の罪悪感を抱かなくなります。世間において、こういった考え方の変化は「大人になる」や「通過儀礼」などと言われるものではありますが、実際は「無責任になる」ことと同意義でしょう。
これらの問題の根本には、「他者に共感するあまり、自分自身の本音に耳を傾ける余裕が無い」という本質が隠れています。仮にタイプ9が現実に対し、目を背けるというアプローチをとったとしても、彼らの心が本当にその行為を「正しい行いである」と考えているかどうかは分かりません。
その心からも目を背け続け、感情を自分の中に溜め込んでいくと、いずれタイプ9の心は限界を迎えるでしょう。その時を迎えた場合、タイプ9は過度に投げ遣りな態度を取るようになったり、抑うつ状態に陥るかもしれません。
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