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唐突ですが、10代を振り返ってみてください。10代のとき、直面した問題にうまく対処できず、困惑したことがありますか?
肩に圧し掛かる人間のストレスに、進路に関するプレッシャー、親からの期待……――何もかも投げ出したい!と感じたことは、誰にでもあるでしょう。
今回も引き続きパーソナリティタイプごとに異なる、10代の葛藤について取り上げたいと思います。
それではNJタイプ編をどうぞ!
もくじ
10代のINTJ
10代のINTJは一般的に、単独行動を好み、本の虫で、年齢に見合わないような卓越した思考力を持っているとされています。
10代の若者といえば「今しか見ていない」ようなものですが、優勢機能に内向的直感(Ni)を持つINTJはその点において異なっていて、将来のことをよく考えています。
INTJが本の虫となるのは将来のことを考えてこその行動であり、彼らの多くは「良い大学に進学して、大企業に就職する」ことを希望していて、その希望を叶えるために「まずは賢くならなければ」と考えているのです。
そんなINTJはしばしば、概念的で抽象的な学問(つまり数学や哲学)や、創造性が掻き立てられる詩作に感心を抱くでしょう。そしてINTJは独自のやり方で知識を収集して、技術を身に着け、一人でに進化していきます。……このように、INTJは勉強において他者を頼りません。
そして10代のINTJには、校則や学校行事といった「伝統的なもの」を軽視する傾向が顕著に表れます。合理的な理由が見つからない校則は守ろうとしないでしょうし、コストの無駄のように思える学校行事には参加しようとしないでしょう。このような行動からINTJは問題児扱いをされることも多く、故に10代のINTJは学校が嫌いであることが多いとされています。
学校に通う10代のINTJが、その学校に所属する教員たちに敬意を抱けなかった時には、双方にとって悲劇となるでしょう。INTJは尊敬できない教員が仕切る授業に価値を見出せずに、独自の判断により授業に参加しなくなります。それにより教員のほうはINTJに苛立ちを募らせ、教員から生徒へのいじめに発展することもあるでしょう。
とはいえ、そこまでの騒動を起こすINTJはレアケース。ほとんどの場合、INTJは「将来、良い高校・大学に進むためには良い成績が必要であり、内申点も重要である」ことを理解しているので、無難な学生生活を送るよう心がけ、良い成績を修めることができます。が、内心は……――かなり不満を抱えていることでしょう。
そんなINTJは10代の頃に経験する葛藤は、コミュニケーションです。INTJはどちらかといえばマイペースであり、単独行動を好むパーソナリティですが、10代の時期には「友達が欲しい」という強い思いが芽生えてきます。しかし思いとは裏腹に、INTJの友達作りはうまくいきません。それは彼らが少数派であるからです。
INTJはひとつの興味を追い続け、その道のマニアとなるタイプです。しかし一般的な10代は、1日ごとにトレンドが変わるような世界に生きています。INTJの深く狭い興味と、他のティーンエイジャーたちの広く浅い興味が交わることはあまりなく、共通する話題が無いことから、INTJはしばしば疎外感を覚えるでしょう。
多くの場合、INTJは「自分のどこが、多数派と違っているのか」を受け入れ、それを表現する方法を見つけようとし、差別化を図ろうとします。髪を奇抜な色に染めたり、ピアスを多く着けたり、一般には忌避されるサブカルチャーを好んだりするようになるのは、「自分は主流派ではない!」ことを言葉なく主張するためなのです。
以上のような理由から、居場所を築きがたいのが10代のINTJです。なので両親のサポートが欠かせないでしょう。休日はINTJを家に引きこもらせずに外へと連れ出して、テニス教室や音楽教室に通わせて、体を動かす健康的な趣味を与えるようにしてください。そういった趣味は、不満を吐き出す捌け口となるでしょう。
10代のINFJ
10代のINFJは一般的に、強い感受性と想像力を持っていて、それらを活かした“何か”をしたい!という欲求を抱えています。
10代のINFJは意外にも社交的な傾向が強く前面に打ち出されることが多く、自分の居場所探しにも果敢に乗り出しているでしょう。演劇部で仲間たちと作る創造的な時間を楽しんだり、バンドを組んで作曲に挑戦してみたり……――内向的な傾向を持つパーソナリティの中では、最も学生時代をエンジョイできるタイプです。
しかしINFJは感受性豊かであるため、10代の頃には起きがちな人間関係のこじれには弱いとされています。陰湿ないじめを目撃してしまうと、途端に同級生たちに幻滅してしまい、口数が減るようになり、人付き合いを避けるようになるでしょう。
そんなINFJが10代の頃に経験する葛藤は、理解者がいないという感覚です。しばしば自分の内的世界に焦点を合わせるINFJは、複雑に入り組んだ深い精神構造を持っています。なので10代の頃には、自分自身ですら自分の心を理解できないことが少なからずINFJには起こります。
10代というのはただでさえ、悩みの多い時期です。自分が誰であり、自分が何を信じるべきなのか……そのアイデンティティの確立がうまくいかず、戸惑いと苛立ちが増える年頃です。
そこに複雑な精神構造が重なってくると、一つに絞れない信念や興味が余計に混乱を産みます。なので10代のINFJは、特にアイデンティティの問題で混乱しやすいとされています。
そして10代のINFJが直面するもう一つの葛藤が、10代特有の環境で行われる人付き合いです。INFJの興味は多くの場合、哲学的な芳香に向いていますし、INFJが友人たちと話し合いたいのはそのようなトピックスですが。一般的な10代がする会話は「同級生の陰口」や「恋バナ」に、「アイドルの話」か「ゲームの話」ばかり。
共通する話題がないということから、INFJは会話の中に上手く入っていけず、疎外感を覚えることがあるでしょう。INFJが「無理をして取り繕う」という選択をしない限り、得られる結果は「話に理解できず、孤立を選ぶ」か「話について行けず、孤立してしまう」のどちらか。……多少無理をして何かしらのアクションを起こさないと、居場所が得られないため、10代のINFJは社交的にならざるを得ないのです。
そんなINFJにとって、特に10代の時期に研ぎ澄まされる感受性は、豊かな気付きを与えると同時に、余計なことにまで気付いてしまう呪いにもなり得ます。仮に自分へと向けられたものでないにしても、悪意を持った陰口を聞いてしまうとINFJは深く傷ついてしまい、その経験が重なると人間不信になってしまうでしょう。
最悪な事態を避けるには、INFJの子を持つ親が、子供の一番の理解者になることが求められます。そして親は可能であれば、世間の綺麗な部分と汚い部分について教えたうえで、ドライな視点を持つことの必要性を子供に説いてあげてください。
10代のENTJ
10代のENTJは一般的に、独立心旺盛であり、野心的です。
ENTJは若いうちから強いカリスマ性を発揮していることが多く、同級生や教員たちから強く記憶される存在となっているでしょう。10代のENTJは通常、根拠のない自信に満ちているでしょうし、多くの場面を難なく切り抜ける要領の良さを持っています。
そんなENTJは、あまり学校という場所に執着しませんし、学校の成績に関わる勉強に集中しません。若いうちからENTJには「やりたいこと」があることが多く、学校外の時間で何かしらのスポーツや趣味、または小さな事業に精を出しているかもしれないでしょう。
そしてENTJは、生まれながらのリーダーであり、目立ちたがり屋であり、革新的な思想の持ち主です。つまりINTJと同様に、合理的でない「伝統とされている習慣」には疑問を抱き、しばしば反抗的な態度を取ります。
ただしENTJは反抗的な態度を取るだけで終わらず、「関わる全ての人の今後のために、既存のルールを変える」点を目指すでしょう。そのため、友人や他の同級生を多く巻きこみ、行動を起こします。独り善がりな理想を掲げることはENTJには無いため、賛同者も得られやすく、実を結ぶ結果を得られやすいでしょう。
原則として、ENTJは非常に正直で率直です。スピーチも当たり障りのない言葉を選ぶより、自分に正直な偽りない言葉を選ぶでしょう。この傾向は10代において、本当に信用できる友人を獲得できるということや、常に正直であることで周囲から信頼を得られやすいという利点を得られますが、しばしば相手を傷付けてしまうというデメリットもあります。
正直であり、合理的であるENTJは、基本的に感情に配慮をしません。なのでENTJに悪意は無いにしても、彼らが正直な言葉を放った結果として、相手を傷付けてしまいます。それが敵意へと繋がってしまうこともあるでしょう。つまりENTJは味方を得やすい反面、敵も作りやすいのです。
そんなENTJが10代の頃に経験する葛藤は、抑圧との戦いでしょう。子供の頃から独立心旺盛であるENTJは、親や学校、社会から「未熟な子供」と見なされることに屈辱感を覚えています。そして彼らは、自分の独立性と能力を証明する機会に飢えていて、機会があれば実力を披露したがるでしょう。ENTJのその姿はしばしば「目立ちたがり屋」や「自己主張が強い」と後ろ指を差されます。
保守的な色が強い環境にENTJが置かれた場合、親を含め周囲の人々は何かとENTJを抑圧しようとし、人々はENTJに対して「この世の道理」を分からせようとするでしょう。しかしこれは余計にENTJを苛立たせるだけで、却って反骨精神を育てることとなります。そして怒りを爆発させたENTJは、周囲に否が応でも変革を突き付けるような、甚大な被害をもたらす行動を起こすでしょう。
要するに10代のENTJは、親や周囲の大人たちが放っておいても勝手に育ちます。下手な抑圧はせず、温かい目でENTJを見守ることが、大人たちに求められる正解の対応でしょう。
ただしENTJは優勢機能として「外向的思考(Te)」を保有しているため、何かと早合点をしがちです。早合点の癖を指摘し、「他の選択肢もあるかもしれない」と熟考を促すサポートは必要になるかもしれません。
10代のENFJ
10代のENFJは一般的に、寛大であり温かく、そして外向的で共感的な性質の持ち主です。
彼らは通常、多種多様な友人を持ち、10代の忙しない日々を楽しんでいます。ENFJは特に、学校生活が提供する非常に多様な課外活動、つまり部活動や生徒会活動、学園祭といった学校行事を楽しむことができます。
もしかしたらENFJは、学校新聞を書くことに楽しみや遣り甲斐を見出すことがあるかもしれません。楽器に興味を抱き、バンドを組むこともあるかもしれません。ともかくENFJは表現というものに興味を抱くことが多く、特に10代の頃には種類を問わず何らかの芸術に触れたり、自分で作ってみたりすることが増えるでしょう。
しかし表現よりもENFJが熱心に取り組むことがあります。それは友人たちや同級生たちと積極的に関わり合うことです。ENFJは一人ひとりをよく観察し、それぞれがどんな性格をしていて、どんなことを考えているのかを知ろうとします。一人ひとりの違いを受け入れて、可能な限り多くの人と仲良くなろうとするでしょう。
そして喧嘩が起きたとき、その仲裁に真っ先に乗り出すのはENFJです。意見や考えの違いを日ごろから柔軟に受け入れているENFJは、対立しあう人々がお互いに納得できるような妥協点を探ることができ、穏便な解決を図ることができます。何かと言い争いの多い10代において、ENFJは重宝されるパーソナリティでしょう。
そんなENFJが10代の頃に経験する葛藤は、自分のアイデンティティを確立することでしょう。ENFJは他者を非常によく観察していますが、その一方であまり自分には注意を向けません。そのため「自分が本当にしたいことは何か」という問題に直面した時、自分自身のことがよく分からず、戸惑ってしまいます。
またENFJは他者に注意を向けるため、何かと人からの影響を受けがちです。そしてENFJは波風を立てるような行動をひどく恐れるため、自分のやりたいことができないのです。友人たちへの気遣いで精神をすり減らしたり、友人の趣味に付き合うことにばかり集中したりして、自分の独自性を見失いやすい傾向にあります。
とはいえENFJ本人が気付いていないだけで、彼らは「核」というべき信念を抱えています。それは「一人ひとりが、その人として尊重されるべき」という考えです。なのでENFJは、人格否定や不条理な抑圧などを目撃すると、怒りを露わにするでしょう。
この信念は社会的に見れば、とても素晴らしいものと評価できます。しかし10代は予想以上に悪意で満ちている時期であるだけに、苦労は絶えなくなりますし、悪意に直面その分だけ精神の消耗も激しくなるでしょう。とはいえ折り合いをつけるということができる問題でもないため、苦労することになります。
以上のことから、何かと精神的に疲れやすい10代のENFJに必要なサポートは、セルフケアの重要性を説くことでしょう。それと、一人きりになり、自分のことにだけ集中できるような静かな時間を与えることは、ENFJにとって有意義なものとなります。
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