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「The Wisdom of the Enneagram」の著者であるドン・リチャード・リソ氏とラス・ハドソン氏によると、私たちそれぞれが「幼少期から引きずる潜在意識」を持っていて、その無意識は「根源的な欲求と恐怖というメッセージ」を発し続けているそうです。
ある人の潜在意識が発するメッセージとは「信頼できる”誰か”を獲得すること」であり、「自分自身を信じることができないこと」。
またある人の潜在意識が発するメッセージは「自分の意見を自由に言える環境を見つけること」であり、「誰かの手を煩わせてはいけないこと」。
――これら潜在意識のメッセージはあなたの意思や理性を差し置いて、人生に大きな影響をもたらし、他者との関係性のあり方を決定したり、自分の行動を制限したり、内的世界に光や影をもたらしたりします。
この”潜在意識からのメッセージ”は、意識しようとしなければ理解することができず、あなたを「正体不明の暗闇」に置き去りにすることもあるかもしれません。今回はエニアグラムタイプ別に「潜在意識が何を求め、何を恐れているのか」に注目していきましょう。
「幼少期から引きずる潜在意識からのメッセージ」
タイプ7の場合: 「少しぐらい、他者に依存したい」ないし「相手をしてくれる”誰か”が欲しかった」
性格傾向がタイプ7に偏る人々は幼少期に、親の存在が希薄だったり留守が多かった傾向にあるとされています。親が仕事人間で、子供のころは保育園や学童保育の常連だったり。親が気まぐれな性格をしていて、自分の人生を謳歌するために子供であるタイプ7の存在を忘れ去っていたり。ネグレクトを受けていたり等。……いずれにせよ、あまり「楽しい思い出」のある家庭ではなかった可能性があります。
そのため10代に差し掛かったあたりから、タイプ7は「現実を忘れるために、様々な刺激を追い求める」ようになったはずです。友達と遊ぶ時間、ビデオゲームに熱中する時間、好きなスナック菓子をがむしゃらに食べる時間、部活動やクラブチームといったスポーツ活動など、「強い刺激によって、心の痛みをごまかす」ということを繰り返していたことでしょう。
……残念ながらこの潜在意識がもたらす弊害は、かなりの精神的成熟を以てしてでしか癒すことは不可能です。「強い刺激に逃れることによって、自分の内面から目を逸らす行為」との戦いは、長くタイプ7自信を苦しめる可能性があります。
とはいえ、タイプ7は活力にあふれたパーソナリティであり、そのエネルギーを良い方向に活かせれば、タイプ7自身にとってもその周囲の人々にとっても、ポジティブであると思えるような物事を創造することが出来ます。要は「逃避のために求める強い刺激」の矛先を、刹那的な快楽ではなく、仕事や趣味、創作活動のような健全な方向に向ければいい話なのです。
しかし、やはり本音から逃げてばかりの人生では、いずれ躓くときが訪れてしまいます。なので時には、自分自身と向き合う静かな時間を設けるべきでしょう。気を静めて、椅子に深く腰を据えて、自分の本音を探ってください。最初はほんの数分間で構いません。自分自身を知ろうとすること、その試みが大事なのです。
タイプ8の場合: 「腹を割って本音で話し合えるような、そういう相手が欲しい」ないし「絶対に裏切られないという、確固たる保証が欲しかった」
タイプ8はかなり幼いうちから「自分が家庭を支えなければならない」という覚悟を決めさせられたことがあるでしょう。保護者が精神的に弱い人物であったり、そもそも親が不在の家庭であったり、破産の危機に直面して家計が大惨事に陥った期間があったり等、生命の危機を感じるようなことを経験していたはずです。
そのためタイプ8は、どこか好戦的な性格になります。「生き残らなければならない、そのためには自分が強くあらねばならない」という思いが根底にあるからです。この特徴は精神的な成熟度が低い場合には、かなり深刻な影をもたらすことになります。人に弱さを見せることができなくなるため、疲労や心の闇を一人で抱え込んでしまうようになるからです。
また、好戦的な性格が悪い方向に働くと、彼らは「支配されることを徹底的に嫌う」ようになります。自分自身の行動は自分で決めなければならないと考えるため、上司の指示に従うことすら「嫌だ!」と跳ね除けてしまうようになるのです。これは社会に出て、どこかの組織に所属することになった時に、乗り越えなければならない試練としてタイプ8の前に現れることがあります。
誰にも頼らず、ひとり強く生き残ること。これはとてもクールに聞こえます。が、実際にはそんな風に生きられる人間など一握りもいません。どこかで悲しみや恐怖、本音を共有できる相手を見つけなければ、限界を迎えたダムのように心は決壊し、闇があふれ出して、タイプ8自信を飲み込んでしまうでしょう。
最初の一歩を踏み出すことは、とても怖いことであるかもしれません。ですがタイプ8には必要な一歩です。本当に信頼できる相手を見つけましょう。そのためには、自分の「弱さ」をさらけだす勇気が必要です。
皮肉なことに人間の信頼関係は、「秘密の共有」によって強化されていきます。弱さや秘密、恥ずかしい過去を打ち明けることは、とても勇気のいる行動ですが、それを乗り越え無くして「信頼できる関係」は築くことはできないのです。
タイプ9の場合: 「自分の権利を正当に主張できるような環境に居たい」ないし「自分の存在価値を、ちゃんと認めてほしかった」
10代のころのタイプ9は「空気になる」ことを常に心がけていたでしょう。何故ならば、自己主張は身を亡ぼすだけだと考えていたからです。
「喧嘩はやめて!」と不仲な両親の間に割って入ったところで、両親のどちらかから冷たい目で睨まれるだけ。「いじめはダメ!」と同じクラスのイジメっ子に詰め寄ったところで、次のイジメのターゲットが自分になるだけ。――「ならば黙って、気配を消していればいい」これがタイプ9の見出した処世術なのです。
そもそもタイプ9に性格傾向が偏る人々は、幼少期から家庭内に不和や緊張があったとされています。両親が喧嘩ばかりしていて、ある時に仲裁に入ったら、「お前には関係ないことだ!」と突き飛ばされた経験。「あのお菓子が欲しい」というような小さな要望に対しても親は目くじらを立てて怒鳴りつけてくるような親子関係。親に怒られたために怖くて泣いていると「悲劇の主人公ぶるな!」と見当違いの叱責を親にされた経験。……このような経験を積み重ねた後に、さらに「黙って気配を消した時には、物事が穏便に収束した」機会を経験すると、タイプ9のような性格傾向を持つようになるとされています。
タイプ9のような対応は間違いなく穏便に物事をやり過ごすことができますが、その一方で「タイプ9自身は我慢をし続けている」という問題があります。けれどもタイプ9は、自分の正当性を主張して怒りを露わにしたり、不条理に対する悲しみから落涙したり、不公平さに嫌味や不満をこぼしたりはしません。我慢することよりも、不満や怒りを発露させた時に起こる「イザコザ」に巻き込まれることのほうが嫌なのです。
「自分さえ我慢すれば」と、タイプ9は周囲の人々の要求を聞き続け、自己犠牲を疑うことなく実行し続けます。けれども、その優しさを偶には自分に向けてもいいのではないでしょうか?
そもそも怒りや不満を抱え続けることは、あまり褒められたことではありません。ストレスは体に危害を加えますし、我慢の限界を迎えたときは態度や表情に”漏れ出る”ことがあります。つまりいずれ爆発したり等により見つかるものであり、隠し通せるものではないのです。
もしも現状に不満があるなら、それを思い切って伝えてみましょう! たしかに最初は面倒なイザコザがあるかもしれませんが、それを乗り越えれば「気をもまずに済む快適な未来」が待っているかもしれません。
それから、欲しいものがあるなら思い切って買ってみるか、それとなく親しい人にねだってみるのもいいでしょう。普段は我慢しすぎるほどに耐えているのですから、きっと周囲の人も「恩返し」を張り切ってくれるかもしれません。
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