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ISFPタイプは内向的な性質の持ち主でありながらも、外界とも深く関わることができるパーソナリティです。
しかし彼らの意思決定プロセスは、あくまでも彼らの頭の中でのみ進展していくため、他者には彼らが「何を根拠として、その決断に至ったのか」という理由や過程が分かりにくかったりもします。
そしてISFPもISTPも、どちらもクールな性格であり、自立性を重視し、集団の中に溶け込むことをあまり好みません。それからどちらも優れた即興演奏家であり、ウィットに富んだ皮肉屋であり、フットワークの軽さも持っています。しかしそうでありながらも、どちらのパーソナリティも、どこかのんびりとした穏やかな雰囲気を纏っています。
それでいて彼らは、根は優しい性格。ですが、あまり口数が多いほうではないため、優しさや感情や意見などはつい隠しがち。また照れ隠しから、愛らしい皮肉が飛び出てくることもあるでしょう。
普段ならば自ら望んで存在感を消している、クールで寡黙なISPタイプ。そんな彼らの違いが際立つときは、どんなときでしょう?――それは彼らの感情が大きく掻き乱されるような、強いストレスにさらされている時です。
ストレスにさらされている時には、ISFPとISTPの異なる点が顕著に表れます。以下、その例を挙げてみます。
もくじ
「大混乱」のISTP、「悲劇」に見舞われているISFP
ISTPとISFPは窮地に陥ったときに、最も普段の調子を失いやすく、取り乱しやすいパーソナリティです。
ISTPは普段とても冷静沈着で、感情の起伏も比較的平坦であり、アイデンティティもひとつに集約されています。しかし感情をひどく掻き乱されるような問題に直面すると、彼らは冷静さを失い、心の拠り所を見失い、結果としてアイデンティティが徐々に「破綻」していきます。そうして普段は見せないような感情の爆発を起こしたり等、失態をさらしはじめるでしょう。
一方ISFPは普段から強く揺れ動く感情を内に秘めていますが、それをあくまで内に保持し続けることを好みます。それゆえISFPは、冷静であり感情の起伏があまりない人物のように他者の目には映るでしょう。しかしそんなISFPも感情をひどく掻き乱されるような問題に直面すると、普段なら内側に秘めているはずの感情が「漏れはじめる」のです。
そうしてどちらのパーソナリティも、普段は見せないような感情の爆発を起こしたり等、失態をさらしはじめるでしょう。
少なくとも外側に向けて表れる彼らの反応は、似たようなもしくは同じようなものに見えるかもしれません。ですが微妙にそれらは異なっており、見極めるためには鍵となる「それぞれが抱える脆弱性の原因」と「異なる反応のメカニズム」を理解する必要があります。
ISTPは自分の感情を理解できず、コントロールもできない
動揺したISTPは、激情の塊のような人物に変化します。
普段ならばISTPは、論理的で非感情的で逐次的な世界の住人。そんな彼らが強い感情に体を支配されてしまった時、彼らは体をコントロールしようと頭脳を普段以上に動かしますが、うまくすり合わせることが出来ず、精神を消耗させていきます。というのもISTPは、自分の感情をコントロールすることを苦手としているのです。
ISTPがメインとしている感情機能は、自分が“何か”に対してどのようなことを感じているのかを考慮する「内向的感情(Fi)」ではなく、他者の感情をコントロールすること、および他者のニーズに応えて相手の望み通りに振舞うことを得意とする「外向的感情(Fe)」。そのため彼らは、他者の心は手に取るように分かる一方で、自分自身の抱える感情がどこから湧き上がってくるものなのか、それを理解することに苦労するのです。
取り乱したISTPを落ち着かせるには、彼らが持つ感情機能「外交的感情(Fe)」に則ることが最善です。それはつまり「取り乱すことは他者の迷惑になる。他者に迷惑を掛けないようにするためには、今どういった振る舞いをするべきなのか?」と問いかけ、ISTP特有の“客観的”で“論理的”な視点に戻るよう諭すことです。
諭した後はなるべく干渉を避け、ISTPを見守るようにしましょう。取り乱しているISTPとは、感情という大荒れな海の中で揺られている小舟のようなもの。嵐が過ぎ去り、凪が訪れるのを待つようにしましょう。
ISFPは自分の信念を踏み躙られて、ショックを受けている
普段は感情の起伏が少なく、名実ともに冷静なISTPとは反対に、ISFPは冷静で感情の変化の少ない落ち着いた人物のように見えているだけで、実際には主観と自分の感情をとても大切にしています。
そんなISFPは常に、揺れ動き続ける「感情」の波に揺られていますし、その波を乗りこなす「道徳/倫理」というサーフボードも巧みに使いこなしています。なので感情が強く揺さぶられる、ということに彼らは免疫があるのです。それはISFPがメインとしている感情機能が、ISTPとは反対の「内向的感情」であるからでしょう。
そのISFPがひどく動揺してしまうときは、彼ら自身がとても大切にしているルールや信念などが、思慮の無い言葉により打ち砕かれたり、思慮の浅い他者から誤解を受けてひどい言葉をぶつけられたとき。また妥協を求められたり、ルールや信念などを保持する権利を踏み躙られて服従を強いられたときにも同様に、ISFPは混乱をみせます。
彼らは「自分だけの信念」といったものをとても大事にしていて、それらを自分というアイデンティティを構成するうちの一つであると考え、譲れないものと位置付けています。そのため、信念といったものを他者から否定されたりすることは、ISFPにとっては許しがたい行為なのです。
信念を他者から踏み躙られたISFPはひどく動揺し、普段なら内側に留めているはずの不安や悲しみといった感情を、おもわず表に出してしまいます。時にその感情は怒りに変わり、生まれた強い感情の波を外に向け、他者をも巻き込んでしまうかもしれません。
ISFPは表向きこそ柔軟性があり大人しく、協調性のある人物のように見えていますが、その内側には確立された自我を隠しています。そのため聖域ともいうべき自我を他者に踏み荒らされることを拒み、そして聖域を守るために、彼らは強い感情の波を外に向けるのです。
そんなISFPに対して「周囲に合わせろ」と命じることは些か酷でしょうし、ISFPからすればそれは悲劇としか言いようがありません。そのためISFPが取り乱したときには、彼らの心の中にはそれ以上踏み込むようなことはせず、そっとしておくようにしましょう。
「凶暴になり、当たり散らす」ISTPの怒り、「自暴自棄になり、復讐を求める」ISFPの怒り
怒りを露わにしたとき、SPタイプに該当するパーソナリティは、凶暴性を示すことがあります。またSPタイプはあっという間に怒りの導火線に火が点き、そしてあっという間にクールダウンするという特徴があります。
クールな顔をしている普段の様子とは正反対の豹変ぶりを示すので、その変わりように周囲は驚愕し、多くの場合はこれにより周囲は彼らを「絶対に怒らせてはいけない人物」と認識するようになるでしょう。そんなSPタイプが持つ、怒りの爆発性の高さは、心理機能「内向的直感(Ni)」の未成熟さから来ています。
「内向的直感」とは、自身の思考プロセスに焦点を合わせて問題を解決するだろう答えを見つけ出したり、蓄積してきた知識や経験の中から実現可能なアイディアを誕生させたり、状況を踏まえて未来を予測する心理機能のことです。
ISTPは破壊的な怒りを示す
その中でも怒り狂ったISTPは特に、壊滅的な被害をもたらす可能性さえある大暴れを引き起こします。なのでフィクションにおいてはよく、殺人さえも厭わないような、激しい怒りに身を任せて突き進む、独断専行で制御不能の台風のような存在として描かれることが多々あります。
彼らが怒り狂うとき、その原因となるのは多くの場合、ISTPの補助機能「外交的感情(Fe)」によって知覚された“誰の目から見ても間違っていると分かる、明らかな不正や横暴”です。そしてISTPは使い慣れているツールやスキルを利用して、誤りを正すために一直線に突き進みます。彼らは進むべき道を邪魔してくる者たちを容赦なくなぎ倒しますし、フィクションではそれを“虐殺”といったかたちで描くことがしばしばあります。
フィクション作品での例をあげると、「進撃の巨人」リヴァイ兵長や「PSYCHO-PASS」狡噛 慎也、「デュラララ!!」平和島 静雄など。他にも「X-MEN」シリーズのウルヴァリンや、「アヴェンジャーズ」シリーズのブラック・ウィドウなどが該当するでしょう。
また特に男性のISTPは、怒り狂った際に怒鳴り散らしやすいとされています。
ISFPは一対一での決闘を求める
ISFPの怒りは、SPタイプの中では異質な存在です。
ISFPは劣位機能でありながらも、主要な心理機能として「外向的思考(Fe)」を保有しているため、ISTPのような殺戮マシンとなり果てる前に一度立ち止まり、不正を正すための最も効率的なプランを考えることが出来ます。
「不正に加担する者は全員、敵だ!」として、立ちはだかる者を全てなぎ倒しながら真っ直ぐ進んでいくISTPとは異なり、ISFPは不正の原因となっている謂わば「黒幕/親玉」に的を絞り、その人物のみを追っていくという、無駄を省いた行動を取ります。
とはいえISFPもISTPと同様に単独行動を好むタイプですので、基本的に追跡といった行動はひとりで行いますし、そのため怒りも「あいつに家族を傷付けられた」や「あいつに、自分の信じていたものを損なわれた」といった個人的な恨みに端を発している場合が殆どです。そして敵といざ対峙した時も、ISFPは他者からの協力は頑なに拒み、あくまでも一対一での決闘を望むでしょう。
そんなISFPは恨みといった個人的な怒りから行動を開始し、標的を絞り、そして「敵を打ち負かす」という目標のために日々研鑽を重ねて、目標を果たすための現実的で効率的なプランを構築していきます。フィクションでの例を挙げると、ハリー・ポッターがISFPに該当するでしょう。
またISFPの怒りが募っていき、ますます感情が手に負えない状態になっていくにつれ、彼らは冷徹になり、目標を果たすために粛々と突き進むようになり、他者への配慮を欠くようになります。その冷徹さはフィクションの中ではある種、美しく描かれるでしょう。それに冷徹さを克服していく過程も描いた物語は、極めて情熱的なものとなるはずです。ですが、現実でそれに似た事態が起こったときには、厄介なことこの上ないでしょう。
目は魂の窓――違いは瞳で分かる
ISTPとISFPを見分ける一番の手掛かりは、瞳であるかもしれません。
どちらも内向的ゆえ、情緒反応も内向きに起こるため、彼らはあまり表情が豊かなほうではないでしょう。彼らは感情を隠すことを得意としているくらいです。
しかし動揺している時を除き、ほぼ完璧に隠し切れるISTPとは反対に、ISFPは平常時でも、瞳にだけは言葉ではとても書き尽くせないほどの豊かな感情の変化が映ります。ISFPの瞳は海のようなものであり、晴れ空の下に輝く凪いだ海のときもあれば、嵐の中で大荒れの波の時もあり、常に流動していて一定ではないのです。
とはいえISTPの瞳にも、変化がないわけではありません。ISTPは苦痛やストレスを感じたときに変化が起こりやすく、たとえ表情では隠していたとしても、挙動不審な視線の動きなど、瞳には情緒不安定さが滲み出てくることがあります。表情に変化は特にないものの、会話中に目を合わせようとしなかったり、奇妙に視線が動き続けている時、それはISTPが何かしらストレスを感じている証拠です。
ISFPもISTPも、人の心を見透かしているかのような強烈な眼光の持ち主。しかし敢えて違いを挙げるならば、ISFPの瞳は「暖かい心が奥に隠れている、広い海」であり「どことなく濡れている、柔らかな視線」であるのに対し、ISTPの瞳は「褪めている心が透けて見える、干からびた大地」であり「氷のように固くて、鋭い視線」といったところでしょう。
「技術力」のISTP、「芸術的才覚」のISFP
これはあまり役に立つ機会はない情報でしょう。しかし知っていると、いざという時に容易にISFPとISTPを見極めることが出来ます。
ISFPとISTPはどちらもSPタイプに該当します。そのため、彼らが操る物理的世界(工具や楽器といった道具)は「自分自身を拡張し、より多彩な表現を可能にするもの」という認識です。穂先の細い筆を手に入れれば細い線を書くことが出来るようになり、反対に太い筆を手に入れれば太い線を書くことが出来るようになるというように、彼らは技術や知識を培っていき、「自分に可能なこと/出来ること」を増やしていきます。
ISTPはその点とても分かりやすくて、単純。彼らの目的は「(ナイフやレンチ、楽器やバスケットボールにサッカーボール等の)道具を使いこなすこと」。技術の向上と目に見えてわかる美しさを追求し続けるのです。
しかしISFPは反対に複雑で、とても入り組んでいます。そんな彼らの目的は「道具を使いこなして、自分の内側にあるものを表現すること」。表現を追い求めることが優先事項であり、技術力の向上はその次点であるといえます。
絵で例えるなら、ISTPは写真と見間違うような写実的で完璧な表現技術を、どこまでも追い求めるタイプでしょう。反対にISFPは自分の描きたいものを、自分の好きなように描ききることを最優先にし、表現技術は徐々に補っていくタイプであるといえます。
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