MBTI

NPタイプと自問自答の関係性

NPタイプ(INFP、INTP、ENFP、ENTPの4種)に表れる顕著な特徴といえば、自問自答と疑念のループ、およびそれに苦しんでる姿でしょう。

特に疑念は、仕事や人間関係、そしてアイデンティティなど幅広く影響を与え、人格に浸透し、慢性的な混乱を引き起こさせることがあります。疑念は人々を衰弱させ、あらゆる情熱に冷や水を掛け、感情を奪い去り、人々を虚無感へと陥れるでしょう。

直感的なタイプ(タイプコード:N)は、経験をもとに対応するタイプ(タイプコード:S)よりも数が少なく、一般的なタイプであるとは言い難いです。そんな直感的なタイプである「NPタイプ」の多くは、常識や旧来的なドグマに縛られている今の世界を「つまらないもの」もしくは「古臭いもの」と感じており、彼らはそんな世界を面白くするためには、ユニークでエキサイティングな、まさに自分たちが持っているような新しい価値観が必要であると感じています。

またNPタイプには「直感的に多くのことに気付き、多くの可能性を予測できる」という強みがあります。ですが、それが悪い方向に働くと「多くのことに気が付くあまりに、より多くのマイナス面にばかり目が行ってしまい、猜疑心に苛まれる」という風になってしまい、それが慢性的な疑念を引き起こします。そして慢性的な疑念は、彼らの「よりエキサイティングな世界を追い求める姿勢」に悪影響を徐々に与えていきます。前述したように、最終的に虚無感に支配されるようになってしまうのです。

時にNPタイプは「これ以上はあり得ない、最善で最ッ高の、めっちゃすごい天才的アイディア!!」を見つけて、歓喜から飛び上がって奇声を上げるかもしれませんが。その後にはすぐ悪い癖が表れて、彼らは「これ以上はあり得ない、最高のアイディア」に自ら疑念を抱き、自問自答を始めます。

「これは本当に最善なのか?」や「もし、Aのような事態が発生してしまったら、この部分がうまく立ち行かなくなるだろう。それにBのような事態が発生したら? この計画は途端に水の泡になるじゃないか……」など、このような自問自答が発生してしまったら最後、最善で確実と思われたアイディアたちがそうでなくなるのは、時間の問題です。

時としてNPタイプの性格は「ジェットコースターのようなもの」と表現されることがあります。NPタイプは熱狂する時はとことん熱狂しますが、落ちるのも早く、そして落ちるときはとことん落胆してしまうのです。特に頭の回転が速いxNTPタイプは、激しく移り変わります。

このようなジェットコースター的ともいえる性格は、NPタイプ自身にも不満や不快感を与えると同時に、周囲にいる人々にも不信感を与えてしまうというデメリットがあります。できれば、改善しておきたいポイントでしょう。

しかし探求者であるNPタイプは、疑念とは切っても切り離せない関係にあります。そしてNPタイプが囚われる疑念ループは、パターンとして表すことができ、それは以下のようになります。

探す → 発見 → 疑う → 更に探す → (以降繰り返し)

このような図式にしてしまうと、まるでNPが探索作業を楽しんでいないかのように見えてしまいますが、寧ろ逆で、NPタイプほど探索を楽しんでいるパーソナリティは他にいません。実際にほとんどのNPタイプは、自由に探索し、そして何かを発見し、その過程で世界や人々と関わり合うことをかなりエンジョイしています。

ただしNPタイプとは止まることをしらない人々であり、好奇心の赴くままに際限なく探索を続けるパーソナリティです。彼らは「どこまで情報を集めるか」という上限を設定しませんし、「具体的に何についての情報を集めるのか」という起点および終点も設定しません。そこで必要となるのが、異なるタイプを持つ人々の協力なのです。

目的地を定めずに暴走するスポーツカーのようなものであるNPタイプには、目的地を定めたうえで車のハンドルを握り、そして適宜ブレーキを踏めるJタイプが必要ですし。とっ散らかったアイディアのフリーマーケット状態であるNPタイプから、必要なアイディアを選び取って、それを丁寧に現実へ落とし込んでいけるSタイプが必要なのです。

目的地の設定(J) → ルートの候補を幾つか探す(P) → ルートを絞り、目的地へ誘導する(J)


理想を描き、プランを幾つか用意する(N) → プランを選び取り、それを実現する(S)

また、時間との闘いは、NPタイプの最大の敵の1つです。人生が短いものでなければ、疑念や自問自答はおそらくそれほどの苦痛にはならなかったでしょう。仕事における締め切りも、期間が短くなければ、幾分か心理的には余裕が持てるものですから。

しかし人生は”デッドライン”で満ちています。限りある短い時間の中で、NPタイプは答えを見つけなければなりません。

……のですが、NPタイプは時間に追われれば追われるだけ「短い時間」について考え、「なぜ締め切りは短いのか」→「そもそも人生は短すぎる!」→「短い人生に価値はあるのか?」→「というか、そもそも人間に価値ってあるの?」→「それに、いつか地球は滅ぶし、宇宙だっていつか無くなって、全てが消えるのに、自分のやってるコレにいったい何の価値があるんだ?!」となり、また暗い気持ちになるはずです。

貪欲に追い求める

NPタイプが一般的に採用している、疑念と戦う戦略の1つは「知識の探求」です。ここで言う「知識の探求」とは、仮説を裏付ける情報をより多く集めて、正確性を高めるということを意味します。

これは、エニアグラムでいうならばタイプ5で主に使用されるアプローチ方法であり、この方法を多く扱うのはMBTIでいうならINTPとINTJとENTP、そしてISTJ、ESTJです。

タイプ5は知識を集めることを得意とし、最終的には集めた知識を基に”何か”を実現しようと考えます。ですが実行に移すのは「絶対にうまくいく」という確信が得られ、確信により自信が身についた時だけ。確信が得られていないにも関わらず実行に移したときには、彼らは不安に苛まれ続けるでしょう。

同様にNPタイプは、多くの知識を身に着けて、情報をより多く集めて、それらによって仮説を裏付けすることにより、慢性的な疑念を幾分か克服することができます。

また自己理解を深めることにより、疑念を克服するという方法もあります。これはエニアグラムでいうタイプ4が主に使う方法であり、同様の方法を扱うのはMBTIでいうならばINFPとINFJとENFP、そしてISFPです。

タイプ4は、自分のアイデンティティと願望を明確にし、その理解をクリエイティブな手段を用いて、ユニークに、そして正しく表現することが、物事をうまく展開させていく上で必要となる鍵だと考えています。

つまりやり方は多少違えど、NPタイプは「何かについて、より理解を深めること」で自身を付け、疑念に打ち勝つことができるのです。

「注意散漫で何が悪い!」

NPタイプの評判は、実のところあまり良いものではありません。多くの人々は、彼らの発言の不確定さや、特に彼らが持つ注意力散漫なところを理由に挙げ、何かと彼らを批判しているのが現状です。

とはいえあちこちに面白そうなものを見つけては、すぐに気を取られ、中途半端な状態で物事を放り出してしまうのは、実際にNPタイプによく見られる傾向でもあります。

NPタイプが持つ注意力散漫という特徴は、確かに生産性を著しく下げるものではあり、非NPタイプがNPタイプを批判をするのは至極全うではありますが。一方でNPタイプの中には、この注意力散漫な傾向を「これこそが、自分の強みだ!」と感じている人もいるようです。

というのも注意力散漫は、一般的には悪いこととされていますが、良い面もあります。それは一つの視点に縛られない、ということ。時どき手元から目を離して、足許へと視線を向けることにより、近くにありながらもそれまで気付くことができなかったものを、新たに発見することができます。それが、NPタイプの強みなのです。

とはいえ、注意力散漫すぎるのは考えようでしょう。息抜きもほどほどにして、目の前にある仕事に集中し、それを仕上げるという努力が求められる場面もあるのですから。

世界に飛び込むENxP、思索に飛び込むINxP

NPタイプは個性の塊ともいえる人々が集まっていますが。しかしENxPタイプは人前に出るとき、可能な限り自分自身を、いわば「個性」を消そうとする傾向を持っています。

ENxPタイプが個性を消すのには、理由があります。それは個性を消した方が、群衆の中により溶け込みやすくなる(ENFP)または、群衆に他覚的な視点とより多くの情報を与えることにより、「反論をしてみろ! ほら、お前の意見を寄越せ!」と煽ることができる(ENTP)からです。

そうすることにより、今この瞬間にある「ワクワク感(ENFP)」もしくは「議論(ENTP)」の熱狂を、ENxPタイプは他者と共有することができます。また、共有を楽しむと同時に、彼らは他者を観察していて、その場で得られる返答や返信、レスポンスやフィードバックも、可能な限り多く集めようとするでしょう。つまり個性を消すことはENxPタイプにとって、情報を集める手段のうちのひとつなのです。

個性を消し、外的世界に真っ向から飛び込むENxPタイプは、INxPタイプよりも他覚的な意見や情報をより多く集められるという利点があります。そして対人関係に強いことも多く、対人関係の中にある喧騒によって疑念ループから目を逸らすことができるため、INxPタイプよりも精神的にタフであるとされています。

しかし世界に溶け込むあまりに、ENxPタイプは自分を見失いやすいという難点があるため、時には自身の中にある疑念と向き合い、内省する機会を設けるべきでしょう。

そしてINxPタイプはというと、こちらは外的世界に興味をあまり持たず、自身の中に広がっている内的世界に飛び込むことを選ぶとされています。理想の世界を思い描いては空想や妄想に耽ったり(INFP)、アレコレと可能性を思い浮かべては孤独に思考実験を繰り返したり(INTP)する傾向があるのです。

通常INxPタイプは、ENxPタイプよりも慎重で、内省的であるとされていて、あらゆる種類のリスクを回避することを得意としています。またENxPタイプのようなアクティブさはINxPタイプには無く、外で遊びまわるというよりかは、家の中でジッとしているような生活を好むとされています。

……そうは言っても、INxPタイプはしばしば挑戦的、もしくは無謀な議題に興味を抱きがち。特にINTPのクレイジーさたるや、どのタイプも比にはならないでしょう。

INTPは特に無謀な挑戦を好み、難題に対してトライ・アンド・エラーを繰り返すことを楽しむとされています。ひとり実験室に籠り続けて数日が経過……かと思えば、爆発音のあとに真っ黒こげの姿で部屋から突然飛び出してくる科学者のような生態の持ち主が、このINTPなのです。

INFPもINTP同様に、ひとり工作などに打ち込むことを好みますが、こちらは独特な絵を描いたり、編み物をしてみたり、ハンディキャップのある人々を支援するソフトウェアを開発してみたりなど、どちらかといえば穏やかで平和的なものを求めるとされています。

そのように趣向は違えど、研究や工作に没頭することにより、一時的であっても疑念のループから解放されることができるのが、INxPタイプの特徴です。

――こうしてENxPタイプとINxPタイプの「飛び込み」について特徴を挙げてみると、大きく性質が異なるようにも思えますが。「興味の対象に、真っ直ぐに飛び込む」というベクトルは共通していて、飛び込むことによって疑念ループを一時的にシャットアウトしているという項目も一致しています。唯一違うのはやり方であり、「他者との共有の中に、新しい発見を求める(外向タイプ)」と、「ひとりの世界の中に、新しい発見を求める(内向タイプ)」という違いだけなのです。

最後に

疑念は、どうしてもNPタイプに付き纏うものです。NPタイプの中には、常にオープンであるアンテナと、活発な創造性が同居しているため、疑念が湧くことは避けられません。疑念が原因となり、いつまでも自問自答し、なかなか結論が出せないという事態も、NPタイプにとっては当たり前のことなのです。

疑念とは、NPタイプに備わった通常の機能ともいえますし、NPタイプが抱える呪いともいえます。しかしこの疑念があるからこそ、NPタイプは情報をよく分析することができ、最適解を導き出せるのです。

そんなNPタイプはやはり少数派であるがゆえに、奇異の目にさらされることも多く、批難を受けることも少なくはありません。そのような不寛容な態度が周囲に蔓延しているときには、NPタイプはストレスや不安からジェットコースターのような姿を表しやすくなり、更に周囲を混乱させることもあるでしょう。

NPタイプの疑念を終わらせることができるような策はどこにもなく、彼らのジェットコースター的な浮き沈みの激しさを直す術もまたありませんし、注意力散漫さも完全になくすことは出来ないでしょう。NPタイプは、もしかすると面倒臭く、煩わしい存在であるのかもしれません。しかし彼らを受け入れることができれば、拓けてくる道があり、そして彼らにしか解決できない問題は世の中に溢れています。

そんなNPタイプは、能力を存分に活かせる環境さえ整っていれば、優秀な人材となり得ます。

彼らが次々と出してくる疑念のせいで、結論がなかなか出ない、と考えるか。彼らが事前にあらゆるリスクを想定してくれたおかげで、代案をいくつか用意することができ、トラブルにも慌てることなく対応できた!となるか。――彼らの抱える「疑念」が良い方向に転ぶか、悪い方向に転ぶかは、つまるところ周囲の環境に左右されるというわけなのです。

ABOUT ME
青木 常久
「今すぐ使える心理学」を立ち上げた張本人であり、過去に性格心理学の研究・恋愛心理学の研究を行なっている中で、誤った知識が世の中に蔓延していることに課題を感じ、学術レベルで心理学を学び、企業向けにコンサルティング業務を行なったり、カウンセリング業務を行なっています。 - 九州大学出身、「性格心理」や「芸術」について学ぶ。性格心理学を用いた製品開発やチームマネジメントの第一線で活動中、現在メディア事業部マネージャーとして性格心理学を実践しています。