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過度なストレスが掛かった時に起こる「ループ」。内向的な性格タイプの場合、このループは「内向的な心理機能にのみ目を向けるようになる」ことを意味します。
このループというものにはしばしば「制御不能で不安定な状態」というような悪印象が付き纏いますが、これは必ずしも悪いことばかりのものではありません。ループによって、目の前にある課題を乗り越えられる可能性が出てくることもあるからです。
とはいえ、このループというものが精神面に過度な負荷をかけるのは事実。ループの最中にある時は、心理機能の処理において普段ではあり得ないような強い偏りが発生するため、ループが長引けば長引くだけ精神面に不調をきたす可能性が出てきます。なのでこのループを解消する手立てが、時として必要となるでしょう。
ISTJは過度なストレスが掛かった時、Si-Fiループを発現させ、内向的な心理機能のみに依存するようになり、外向的な機能を無視するようになります。これによりISTJは、普段の彼らなら巧みに使いこなせるはずの補助機能・外向的思考を無視するようになり、合理的な思考が不得意になってしまいます。
ループの影響下にある時のISTJは、非常に過去に起きたことへ強くこだわるようになるでしょう。過去に発生したトラウマのような出来事を思い出して混乱したり、「過去に起きた出来事と似たような事態が、また起こるかもしれない!」という根拠のない不安に支配されるようになります。
普段はロジカルなISTJですが、ループ下にある時はそのロジカルな思考が機能を停止します。訳もなく不安になり、正常な思考・正常な判断ができなくなるでしょう。
普段のISTJは、外向的思考(Te)に強く依存している
ループに入っていない時のISTJは、補助機能・外向的思考に強く依存しています。ISTJは優勢機能・内向的感覚と併せて、外向的思考を活用することにより、どう行動すべきかの意思決定を下すのです。
言うまでもありませんが、ISTJは合理的な思考が得意なパーソナリティです。合理的に考える傾向にあり、合理的な計画を立てることが得意で、多くの場合、この能力にISTJは自信を持っています。そしてこの能力こそ、外向的思考の特徴です。
しかしひとたびISTJが内向的感覚が持つネガティブな側面にとらわれる(=ループの影響下に入る)と、この外向的思考は機能を停止します。過去に経験した嫌な出来事や体験が思い出されると、ISTJは「その過去が再来するのでは?」と感じ、以後その恐怖心に囚われ続けることになるのです。
恐怖心に囚われた状態では、合理的な思考は正常に機能しなくなるでしょう。となれば合理的で計画的な行動や、客観的な観点から深く物事を考えるということができなくなります。
「Si-Fiループ」にある時のISTJ
ループに陥った時のISTJは、内向的な心理機能にのみ集中するようになります。普段であれば、論理的なアプローチをまず最初に試みるISTJですが、ループ下にある時にはこれがうまく行えなくなります。
ループ下にある時のISTJは、物事を客観的に見れなくなり、正確な事実を「歪めて」認識するようになります。現在目の前で起こっている出来事の上に、過去に起きた失敗を重ねてしまい、「その失敗がまた起こるのではないのか?」という根拠のない恐怖の中に、ISTJは自らをあえて置いてしまいます。つまり普段のISTJならあり得ないと断言できるような、感情に支配されるという状態に陥ってしまうのです。
この「感情に支配される」という状態は、優勢機能・内向的感覚と第三機能・内向的感情が組み合わさることにより発生します。過去に何らかの最悪な出来事が起こっている場合には、それは凶悪なトラウマ要因となり、ISTJの行動を封じるようになるでしょう。
このような感情に支配されているという不快な状態から逃れるために、ISTJは安心感を求めて内向的感覚に戻ります。安心できる思い出の場所、好きな映画やドラマ、お気に入りの食べ物など、彼ら自身を癒してくれる場所に逃れるでしょう。暫くの間はそこに逃れることに依り現実逃避が図れますが、それは一時的です。ISTJがまた現実に目を向けた時に、彼らは再度感情に支配されるような状態に戻ってしまいます。
そのように、現実と安心感を得られる場所の往来を繰り返していると、徐々にISTJは消耗していき、より不安的になっていきます。次第にISTJは、現実に対して不信感と恐怖しか抱けなくなっていき、安心できる”聖域”に引きこもるようになります。
聖域に引きこもるような状態に陥ったISTJは、自分自身がコントロールできない状態にあると感じ、そのような状態にある自分自身に幻滅していきます。彼らはより消極的になるでしょう。行動を起こそうとするたびに、過去の失敗が頭を過り、行動を起こすことが躊躇われてしまうのです。
行動を起こそうとするたびに、失敗経験が思い出されて、目の前の現実から安心できる過去へと逃げてしまい、そんな自分に幻滅し、自信をなくしていく。これがISTJのループです。
ループ下にある時のISTJに必要なのは、気を紛らわせるものです。細々としたタスクを淡々とこなすような仕事に集中したいと、ループ下にあるISTJは望むでしょう。
ループから逃れる方法
ISTJがSi-Fiループから脱出するためにすべきことは、補助機能である「外向的思考」に集中することです。
ループというのは、極端なストレス下に置かれた時に発現するもので、それ自体は必ずしも悪いものではありませんが。しかしISTJはこのループにあまり耐性が無く、可能であれば早い脱出が望まれます。
なのでループ下にある時のISTJは、一刻も早く抜け出すために外向的思考に集中する必要があります。
何の救いにもならない過去や、混乱か恐怖しかない感情に集中する目を、目の前にあるありのままの事実にのみ向けるようにすれば、ISTJはループから脱却できるようになるでしょう。
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