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過度なストレスが掛かった時に起こる「ループ」。内向的な性格タイプの場合、このループは「内向的な心理機能にのみ目を向けるようになる」ことを意味します。
このループというものにはしばしば「制御不能で不安定な状態」というような悪印象が付き纏いますが、これは必ずしも悪いことばかりのものではありません。ループによって、目の前にある課題を乗り越えられる可能性が出てくることもあるからです。
とはいえ、このループというものが精神面に過度な負荷をかけるのは事実。ループの最中にある時は、心理機能の処理において普段ではあり得ないような強い偏りが発生するため、ループが長引けば長引くだけ精神面に不調をきたす可能性が出てきます。なのでこのループを解消する手立てが、時として必要となるでしょう。
ISTPは過度なストレスが掛かった時、Ti-Niループを発現させ、内向的な心理機能のみに依存するようになり、外向的な機能を無視するようになります。これによりISTPは、普段の彼らなら巧みに使いこなせるはずの補助機能・外向的感覚を無視するようになり、ISTPの特技であるはずの「その場にあるものを活用して対応すること」、つまり臨機応変さが失われていきます。
ループ下にある時のISTPは、普段の彼らなら「そんなこと起こり得ない!」と切り捨てるような、最悪な将来のシナリオにばかり気を取られるようになります。このシナリオを避けるためにISTPは考えを巡らせるようになり、この妄想に囚われ続けることになります。
普段のISTPは、外向的感覚(Se)に強く依存している
ISTPにとって外向的感覚は、彼らが得意とする「臨機応変な対応」の根幹を司るものです。周囲に目をやり、現状に関する情報を収集するこの心理機能により、ISTPは優勢機能・内向的思考に囚われずに済み、これによりスムーズに行動を展開することができます。
そして外向的感覚があるからこそ、第三機能・内向的直感に囚われることもありません。未来の悪い予感に必要以上に悩まされずに現在にあるスリルを楽しめますし、過去の嫌なトラブルに縛られることもなく現在に集中することができます。
普段のISTPであれば、現状に甘んじることを憎み、自分の思うままに行動しますし、リスクすらも楽しんでみせようという気概を持っています。またISTPにとってのリスクは「あくまでも想定内のもので、条件さえ整えば対処可能」であり、そこまで恐れるべきものではありません。このような性格特徴から、ISTPはいかなる状況でも冷静沈着さを保つことができるはずなのです。
そしてISTPは内向的思考に外向的感覚を組み合わせることに、より広い世界を感知します。それによりISTPは外界にあるものに憧れるようになり、それを実際に体感したいと望むようになるのです。この傾向によりISTPは、窮屈な世界に立ち往生せざるを得ない時には自己嫌悪に陥りますし、代わり映えのない小さな世界に閉じ込められることには苛立ちを覚えます。
外向的感覚を活用して、外の世界に飛び出し、情報を集める。そうして集めた情報を内向的思考にパスし、客観的な視点から分析。さらに内向的直感を参照して、過去の経験を基に未来を予測。それらを統括したうえで、論理的に考えて、答えを出す。それがISTPのやり方です。
そんなISTPが外向的感覚に背を向けることは、「外界に目を向け、実際に体験し、情報を集める」というプロセスをカットしてしまうことを意味します。これは普段のISTPなら気付けたかもしれない「些細な違和感」を見落としてしまうことに繋がり、問題解決を先延ばしにしてしまうこととなるでしょう。
「Ti-Niループ」にある時のISTJ
ループに陥った時のISTPは、内向的な心理機能にのみ集中するようになります。優勢機能である内向的思考(Ti)、第三機能である内向的直感(Ni)にのみ依存するようになり、これによりISTPは自分を見失い、自信を失うようになるでしょう。
ISTPは先述したように、外向的感覚により情報を収集し、これを内向的思考で処理します。それに加えて、内向的直感を参照し、過去の経験から「現状がどのような経過をたどる可能性があるか?」を予測し、そこから最適と思われる判断を下そうとするでしょう。
しかし、この一連の流れから「外向的感覚」を抜いてしまうと、ISTPは途端に外界に目をやれなくなります。論理的思考から疑念を生み出す内向的思考と、過去に経験した物事からリスクを予測する内向的直感の間で”ループ”が発生すると、ISTPは疑念と不安を行き来するような状態に陥り、精神面が不安定になってしまうのです。
内向的思考も、内向的直感も、どちらかといえば批判的な性格を持つ心理機能であるため、ループ状態が長引けば長引くほど、ISTPは否定的な観測しかできなくなり、更に批判的な目を自分を含めたあらゆるものに向けるようになります。
そんなISTPのループは、とても「タチが悪い」と言えます。何故ならば、ISTPは内向的思考により、どんなネガティブな言葉にも説得力を与えてしまうからです。批判的で否定的でありながらも、論理的整合性が取れているように見える言葉に、ISTP自身が騙されてしまいます。これにより否定的な見解にISTPは納得してしまい、より否定的な見解にこだわるようになってしまうのです。
それに加え、ISTPは「分析好き」です。否定的な見解にこだわるISTPは、自信の見解に説得力を与えるために、更に状況を分析し、研究しようとしますが。次第にこの”状況分析”が、ISTPは楽しくて仕方なくなるのです。これによりISTPは”詳細を調べて分析する”ことに熱中するようになり、より一層「疑念から疑念へ」を繰り返すTi-Niループに嵌まるようになるのです。
しかし、普段のISTPは「行動に移すこと」が好きで、机上の空論を練りまわし続けることを嫌いますし。遠い未来を憂うよりも、直近の未来を少しでも良い方向に変えたいと考えています。けれどもループは、彼らの性質を真反対のものに変えてしまうのです。この「真反対な状態」は、彼らを自己嫌悪に突き落とす可能性を秘めています。
ループから逃れる方法
ISTPがTi-Niループから脱出するためにすべきことは、補助機能である「外向的感覚」に集中することです。
このループ下にある時のISTPは、とにもかくにもアクションを起こすことが困難です。そうであるからこそ、外界に目を向けて、外向的感覚を刺激することが重要となります。
キッカケは小さなことでも構いません。まだ行ったことがないレストランで昼食をしてみたり、気晴らしにアウトドアをしてみたり……物質世界に触れて、五感を刺激する機会を設けることが、ループ脱出の糸口となります。
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