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過度なストレスが掛かった時に起こる「ループ」。内向的な性格タイプの場合、このループは「内向的な心理機能にのみ目を向けるようになる」ことを意味します。
このループというものにはしばしば「制御不能で不安定な状態」というような悪印象が付き纏いますが、これは必ずしも悪いことばかりのものではありません。ループによって、目の前にある課題を乗り越えられる可能性が出てくることもあるからです。
とはいえ、このループというものが精神面に過度な負荷をかけるのは事実。ループの最中にある時は、心理機能の処理において普段ではあり得ないような強い偏りが発生するため、ループが長引けば長引くだけ精神面に不調をきたす可能性が出てきます。なのでこのループを解消する手立てが、時として必要となるでしょう。
ISFJは過度なストレスが掛かった時、Si-Fiループを発現させ、内向的な心理機能のみに依存するようになり、外向的な機能を無視するようになります。これによりISTJは、普段の彼らなら巧みに使いこなせるはずの補助機能・外向的感情を無視するようになり、周囲の人々の存在が目に見えなくなります。
このループが発現した時、ISFJはまるで別人に変わったかのように振舞い始めるでしょう。普段の彼らは、周囲の人々への支援や援助を惜しまないタイプなのですが、これがループによってガラリと変わってしまいます。もはや他者に対する興味を見せなくなり、自分の世界に引きこもってしまうようになるのです。
普段のISTJは、外向的感情(Fe)に強く依存している
ループに入っていない時のISTJは、補助機能・外向的感情に強く依存しています。ISFJは優勢機能・内向的感覚と併せて、外向的感情を活用することにより、どのような配慮をすべきかの判断を下すのです。
通常、ISFJは他者の感情の機微に非常に敏感であり、敏感であるがゆえに相手の求めているものを汲むことを得意としています。そしてキャッチしたニーズを速やかに解消し、相手を満たすことを言わば”生き甲斐”としています。――これらの行動および欲求は、外向的感情によって生まれるものです。
また外向的感情には「目の前にいる人物が、どういう人となりをしているのか」という理解をスムーズに行う働きがあり、これによって聞き上手という特性が生まれます。以上の話を要約すると、つまり「ISFJは非常に愛情深いパーソナリティである」となるでしょう。
周囲の人々に深い愛情を持って接するISFJは、相手に尽くすと同時に、相手から”感謝”という報酬が与えられることを望んでいます。尽くし、感謝されるという関係を築くことにより、ISFJは他者との間に絆を育んでいくのです。
しかし、この傾向は「誰からも感謝してもらえない場合、ISFJは存在意義を見失ってしまう」ともなりかねません。感謝が得られない場合、ISFJは心を閉ざしていきます。そしてISFJの優勢機能である内向的感覚は「何をしたところで、誰も自分に感謝なんかしてくれない」という記憶をISFJに植え付け、ISFJは次第に人付き合いを避けるようになるでしょう。そうしてループが発現します。
「Si-Tiループ」にある時のISFJ
ループに陥った時のISFJは、内向的な心理機能にのみ集中するようになります。ループの影響下にある時のISFJは周囲の人々への不信感から心を閉ざし、人付き合いを避けるようになり、次第に卑屈な思想に囚われるようになります。
強烈なストレスに襲われたISFJは、過去に経験した出来事を遡り、その経験を基に今の状況を分析し始めるでしょう。ISFJ自身が何を間違えたのか、そして何が原因でこんな事態が発生したのかを、必死に理解しようとするのです。これは内向的感覚と、内向的思考が合わさることにより発動する状態です。
とはいえ、ISFJはどちからといえば内向的思考の扱いを苦手としているパーソナリティ。そのためストレス下においてISFJの内向的思考は空回りし、これが堂々巡りのような状態を引き起こします。
ISFJは「自分の行動のどこを改めれば、今後このような事態を防げるだろうか?」と繰り返し何度も自問自答しますが、最後には「自分は何をしたって失敗するんだ……」もしくは「他人なんて誰も信じられない!」のどちらかに転ぶことが殆どでしょう。ループの影響下にある間、ISFJはこのような生産性のない問答をずっと繰り返し続けてしまうのです。
更に、内向的感覚のネガティブな側面が加わると、ISFJは過去に経験したネガティブな出来事に縛られるようになります。そして、どんなに状況を分析しても、最終的には「感謝されないということは、自分にそれだけ価値がないということ」「他者は全て、自分を利用するだけ利用して、用済みになったら容易に捨ててくるような、信用ならざる存在」というような答えへ常に帰結するようになるでしょう。
どれだけ考えを巡らせても、ネガティブな結論にしか至らない状況は、ISFJを孤立状態へと追いやるでしょう。自分のことで手いっぱいの状態になるのですから、人の世話などしていられる暇はありませんし。またループの影響下にあるISFJは人間不信の状態にあるため、差し伸べられた手も拒んでしまいます。
ループの影響下にある期間が長引けば長引くほど、ISFJは心理的に引きこもりがちな状態となり、完全に心を閉ざしてしまうようになるかもしれません。家族や友人、恋人など、親しい人との最低限の繋がりを維持することができればよいのですが、ループの影響下にある時のISFJにはそれが難しくなってしまいます。
ループから逃れる方法
とはいえ、ISFJが極端なループを引き起こすことは稀です。その後の人生に重大なトラウマを遺すような、相当なトラブルに巻き込まれて極度のストレス状態に陥らない限り、これは発生しません。だからこそ、発生してしまった際には脱却に長い時間がかかってしまいます。
そんなISFJがSi-Tiループを引き起こしてしまった際、ループから脱却するためにすべきことは、補助機能である「外向的感情」に集中することでしょう。
ISFJは通常、外界に存在する”他者”というものに強く依存するパーソナリティです。他者に頼り、頼られることにより安心感を得るタイプである以上、その他者に不信感しか感じられなくなるSi-TiループはISFJに深刻な影響をもたらしかねません。なので早期に脱却する必要があるのです。
そのためには、他者との間に情緒的な関わりを持つことが大事になります。炊き出しのボランティアに参加してみたり、人の愚痴や悩みを聞いたりしてみると、適度に気が紛れて、気分転換が図れるでしょう。
それにISFJが誰かを助ければ、その中の誰かがISFJを気に掛けてくれ、ISFJの悩みを聞いてくれるようになるかもしれません。このような健全な互助関係を構築することができれば、それがループ脱却への近道となるでしょう。
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