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当メディアでも多く取り扱っている「性格」ですが、「部活動やクラブ活動をすることで打たれ強くなった」というように、性格は変わることができるという説や、MBTIの前提条件のように、性格は根本的には生まれ持って決まっているがどんどん成長していく、という説のように色々ありますよね。今回は、性格が先天的か後天的かについてお話ししようと思います。
もくじ
性格とは
性格の定義から、探っていきましょう。
先天的な気質と後天的な影響とによる、その人の感情・意志などの傾向。「―の不一致」。更に広く、そのもの特有の傾向・性質。(Google – 性格とは)
性格(Personality: パーソナリティ)とは、人間は様々な行動・態度をとりますが、根本的にはその人の哲学があり、その哲学に一貫したパターンに基づいて行動をします。そのようなパターンを性格と呼びます。
引用にもあるように、一般的には先天的な「気質」と後天的な「影響」により、傾向が現れるという解釈をするようですが、当メディアで取り上げている性格診断のMBTIはこの言葉で言うならば、性格ではなく気質を示していると言えるでしょう。
性格は先天的?後天的?変わるのかどうかについて
先ほど話をしたように、先天的に決まる部分と後天的に決まる部分があると言うのが一般解釈になります。環境的に変化していくのは、あくまで「影響」であり、気質ではないというのが解釈です。
この解釈の理解を深める上で、現代心理学の父とも呼ばれるカール・ユング氏のタイプ論のベースとなっているような仮説の中で「集合的無意識」と「アーキタイプ」についてのお話があります。この前提条件の背景には、どんな時代でも全く違う場所でも関係なく人類は同じような文化や象徴を持っていることに気づいたユングの洞察があります。この洞察より、人間は遺伝子レベルで「アーキタイプ」と呼ばれる記憶を持っており、またそのアーキタイプを操作する集合的無意識を持っているという説を唱えています。詳しくは以下のページにまとめてありますので、参考にしてみてください。
つまり、遺伝的に決定することを否定することは難しいでしょう。同様に、環境変化による決定論も否定する事が難しいために、このような解釈になります。
人間は社会的に成長する過程で、気質に基づき環境による影響を受け、社会的性格を身につけていくことになるということになります。
気質とは?
気質を厳密に定義している心理学者の中にドイツの心理学者であるクレッチマー氏という人がいます。クレッチマー氏は人間の気質には3タイプいることを分類しています。
1.躁鬱気質
躁鬱気質とは、その名の通り躁状態と鬱状態を繰り返すタイプであり、感情的に情緒不安定な傾向がある気質のことです。基本的にはフレンドリーであり、関わりを持ちやすいタイプであると言われています。
2.粘着気質
粘着気質とは、誠実であり、秩序を好み物事に熱中するタイプであり、規律正しく誠実なスポーツマンを連想させるような気質のことです。基本的には、しっかりとした警察官のようなタイプです。
3.分裂気質
分裂気質とは、分析思考であり、ソーシャルなイベントよりも型にはまらない読書や科学などの漠然とした趣味を持っている気質のことです。この気質はコミュニケーション能力が低く、繊細なオタク気質であると言われています。
エニアグラムやMBTIやソシオニクスはこれらの気質をもう少し細分化しタイプ分けしたものである、と言う考え方もできるでしょう。
環境で変わる性格について
もし、環境のみで性格が決まると言う立場を取るのであれば、実はエニアグラムやMBTIといった性格分析テストは「生まれた時点で根本的な性格が決まっている」という前提条件の立場を取っているために、前提条件が崩れ、使えないデタラメなテストである事が言えるでしょう。しかし、否定する事ができずに、遺伝的に決定していると言う見解が一般的です。
環境により変えることのできる性格は、「社会的性格」と「役割的性格」と言われており、これらは後天的に、変えることのできる性格ですが、気質ではありません。すなわち、根本的には否定することのできない性格「気質」の上に成り立っている性格です。
社会的性格とは?
社会的性格とは、自分が生まれて育った環境により決まる性格のことですが、例えば男らしさや女らしさのように、社会が特定の個人に対して決定する性格のことです。
厳密には、哲学的な話になってきますが、社会は倫理観の元に成り立っています。みんなが常識を持ち、当たり前が高水準であるために、今日の日本は平和ですよね。そのように、共通認識に基づいて、特定の個人に決定を要求するような性格のことを社会的性格と言います。
すなわち、男らしさを求められた結果、A君は男らしい性格を身に着け、女らしさを求められた結果、Bさんは女らしい性格を身につけた。という意味合いです。
役割性格とは?
これも同様に哲学的な思考ではありますが、私たちが生活する上で、学校では1組のAくん、家に帰ったら兄貴のAくん、アルバイト先では、バイトリーダーのAくんというように、社会の中でAくんは様々な役割を持っていますよね。
そのように、社会的な役割の中で身につけている性格を役割性格と言います。クラスでは大人しくても、家庭の中では騒がしいことはよくあると思います。
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