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内向的直感とは、内向的で非合理的でありながらも、動的である心理機能です。
内向的直感を重視する者にとって過去とは全てのルーツであり、未来とはその過去の延長線上にあるもの。つまり彼らにとって「時間」とは、互いに関わり合っている事象間の相関関係なのです。――そしてこの相関関係を紐解いていくプロセスを、彼らは瞬間のうちに展開します。多くの場合、これは無意識のうちに進展していくものなので、俗にこれはこう言われます。「閃き」と。
この知覚は、一連の出来事や人々の行動の理由および過程を深掘りし、分析し、それらを繋げてひとつの“答え”を構築していきます。また内向的直感を持つ者は、導き出した答えを感情へと繋げていくという特徴を持っています。
内向的直感を重視するパーソナリティは、外部から受けた刺激や得た情報の中から、未来と過去、そして現在の繋がりを見つけ出し、そこから感情を生み出します。
例えば「急がないと遅刻してしまう」という遅れることへの恐怖や、「今は冷静にならなければ、あの時の失敗を繰り返してしまう」という後悔と反省、または「何事もスムーズに進み過ぎていて、却って不安だ……」という危険が差し迫っていることを予知する感覚など。内向的直感はそういった予測に長け、そして常にハラハラとした感覚が付き纏います。これを無視すること、および無関心になることは、できないのです。
従って内向的直感を重視する者は、将来を予測し、綿密な計画を立てることに長けているとされています。また事前にトラブルを回避する能力も高く、間違った行動を取らないよう常に細心の注意を払っているでしょう。簡単にいうと、彼らは過去の経験からよく学ぶことができるパーソナリティなのです。
例えばINTJのように、この心理機能が優勢であるとき。そのパーソナリティは先天的に優れた戦略性を持っていて、何かを成し遂げる時には「いつ、実行に移すことが最適であるのか」または「いつ、撤退するのが最善か」、その時期を見極めることが出来ます。
しかしこの優れた直感は内向的に働くため、その思考プロセスは閉ざされており、他者からは分かることがありません。また時として当事者にも、どうしてこの理由に至ったのかということが説明できないことがあります。
心理機能のヒエラルキーと、内向的直感の関連性
内向的直感は一般的に、時間の経過とともに事象がどういったかたちで展開していくのかを認識する能力(あるイベントが、別のイベントとどのようにリンクしているのか)と関連付けられています。
内向的直感を重視する者は、将来自分たちの生活がどのように発展するかについて、綿密に練られた計画を常に心の中に留めておくことを望みます。したがって、彼らは「刹那的に生き、瞬間を楽しむ」ような生き方に興味はありません。
そして以下では「内向的直感が、心理機能ヒエラルキーのどこに位置するのか」によって変化するパーソナリティの違いについて、紹介していきます。
内向的直感を一番目に持つタイプ(INFJ, INTJ)
優勢機能として内向的直感を保有しているパーソナリティは一般的に、自分の周囲に広がっている現実世界に、あまり興味や関心を示さないという態度を取ることが多いでしょう。世俗のことに疎く、また積極的に周囲の人々と交わらず、会話をしようとしないような姿勢の持ち主であることが多々あります。
というのも彼らは、高度に発達した想像力と非常に独創的な精神世界の中で、あれこれ考えを巡らせることに忙しくて堪らないのです。またその結果として、周囲に気を配らない怠惰さや横柄さ(=INTJ)、考えるだけで行動はしない実行力の無さ(=INFJ)が目立つことがしばしば起こり得ます。
このタイプのパーソナリティは、卓越した想像力を通して、世界から情報を取得します。なのでこのタイプは、データが不足している状況でこそ本領を発揮し、未知の分野や前例のない状況で活躍することが出来るのです。しかし時としてこのタイプは現実を見誤り、誤ったデータを抽出してしまうことがあります。この場合、状況が不利になる可能性があるでしょう。
時間軸を超越し、発生する因果関係を理解する能力が、最大の特徴であり強みです。場合によっては、将来に発生するであろう特定の事象や、人々の動向の変化などを正確に予測することができます。
内向的直感を二番目に持つタイプ(ENFJ, ENTJ)
補助機能として内向的直感を保有するこのタイプは、自分が興味を持っている物事やトピックが、その後に辿る展開を予測することが好きです。
このタイプは行動の指針を見繕うために内向的直感を使うのではなく、いうなれば便利なサブツールとして、あらかじめ定められている目標を達成するために、内向的直感を活用していきます。
内向的直感を三番目に持つタイプ(ISFP, ISTP)
このタイプは、注意を「長期的な展望」に向けさせることができるものの、それはあまり長続きはしません。
というのもこのタイプの好みは、身近にある環境と今まさに感じているもの、または目の前にある仕事に黙々と集中することであるからです。
内向的直感を四番目に持つタイプ(ESFP, ESTP)
このタイプのパーソナリティは内向的直感を劣位機能として保有しているため、その能力を使いこなせません。なので目の前にある仕事に注目し、今なにをすべきなのかを重要視し、将来のことは蔑ろにしがちです。
またこのタイプは過去と現在、そして未来の繋がりをなんとなく理解することは出来ますが、その理解を深めていくことを苦手としています。そのため長期的な計画を立てることは得意でなく、気が付けば「最短でその計画を実現するには、今なにをしたらいいのか?」という全く別の議論にすり替わってしまうこともあるでしょう。
このタイプは時間配分に関する感覚が貧弱であり、そうであれば実行に最適なタイミングや引き際を見計らうことができません。したがってこのタイプは、キッチリとしたスケジュールの支配下でないと、適切な行動を起こすことが出来ません。
内向的直感を五番目に持つタイプ(ISFJ, ISTJ)
このタイプは、将来に関するあらゆる出来事を過度に心配しすぎないようにするために、状況がどのように発展していく可能性があるかについての外部評価を定期的に必要とします。自分では評価を下すことができないため、その能力を持つ他者の意見を求めているのです。
この仕事は、定められた期間内に終わらせることができるのか。この行動を起こすことにより、将来に響く影響は悪い方に行くのではないのか。――このような不安が積み重なると、このタイプは衝動的な行動を起こしてしまいがちになり、大失敗することがあります。なのでそういった不安を解消してくれる人物を、このタイプは待っています。
内向的直感を六番目に持つタイプ(ESFJ, ESTJ)
このタイプは現在の傾向が今後どの方向に向かうのかを評価し、行動を起こす、またはそれを控えるための適切な時期を選択する能力に自信を持っている人々、つまりINTJやINFJのようなタイプに魅了されます。
というのも、このタイプはかなり衝動的に行動します。そのため、その衝動を止めてくれる人が傍に居てくれることを望んでいるのです。またこのタイプは、行動を起こすタイミング、および撤退すべきタイミングを計る能力を持っている人を称賛し、その能力を持つ人物を自身の傍に起きたがるでしょう。
内向的直感を七番目に持つタイプ(INFP, INTP)
このタイプは、現在の状況を分析し、そこから未来を予測したり、可能性を話し合う議論の意味を完全に理解しています。
また未来を予測する過程で、想像力を働かせてデータを得る「内向的直感らしい」やり方に一定の理解を示しますが、このタイプはどちらかといえば「外向的直感」を使うタイプであるので、現実に起きている物事からデータを地道に収集する方法を好むでしょう。
内向的直感を八番目に持つタイプ(ENFP, ENTP)
このタイプは現在ある状況から将来の可能性について議論することが得意ですし、その能力を使って貢献していくことに長けています。その点では、内向的直感を優勢機能とするINTJやINFJと似ているようにも思えますが、このタイプが優勢機能としているのは内向的直感とは反対の「外向的直感」。
内向的直感を重要視するタイプは、データ不足と直面した時に、想像力を働かせて補おうとしますが。「外向的直感」を優位とするこのタイプの場合は、足りないデータは現実をとことん分析することにより補おうとします。
そのため、内向的直感による想像力から出てきたデータをこのタイプは「確証がない」と切り捨てがちです。
ヒエラルキーにより変化する性質
優勢機能としてのNi ― INFJおよびINTJ
このタイプは自分自身が非常にイデオロギー的で、一貫性があり、原則的であると考えています。またこの点においては頑固とも言え、自分の意見を頑なに保持し、一歩も譲ろうとはしません。そのためこのタイプは、自分の意見を批判する相手にとてもイラつきます。
彼らはマクロの世界に生き、マクロな視点から世界を見ています。そのため、まどろっこしい詳細や固定観念を「通り抜け」て、隠されていた本質にあっという間に迫り、それを見ることができます。
また彼らはロマンチックであり、理想主義者でもあります。彼らは精神の調和、静けさを尊び、それが保たれている状態では自分自身の中から自由にインスピレーションを引き出すことができます。しかしそれを乱そうとする人々が現われると、インスピレーションの源泉は止まり、喧騒によって思考は中断され、フラストレーションを募らせるでしょう。そして一般的に彼らは、自分の思考回路を他者に向けて明らかにすることを好みません。なので考えを明かすように迫られると、時に彼らは怒りを露わにするでしょう。
あらゆる状況下でも、落ち着いた精神状態を維持し、思考回路には一貫性があるよう努める。それがこのタイプの特徴です。
また時にこのタイプは”川のような流体”のように、状況によって、最も適した意識状態に自分自身を切り替えることができます。状況に応じて、相手の介助をしたり、相手を擁護したり、リーダーシップを取ったり等。会話中の場合では、対話者に自分自身を適応させることもあります。しかしこういった適応は本人の意思であることはなく、「不本意ながらも従っている」というケースが多いです。
この行動は、彼らがマクロの世界に生きているからこそ起こるものです。マクロの世界から見た彼らは、咄嗟に「この状況において必要とされている役割」を認識します。そして欠けているものを補うために、彼らはアクションを起こすのです。つまりこれは彼らにとって「必要とされているから、その役割を演じているだけ」ということなのです。
なので時に彼らとコミュニケーションを取っているときに、あなたは彼らとの間に一体感を覚えることがあるかもしれません。しかしそれは「彼らが友好的な態度を演じているだけ」ということを覚えておく必要があります。彼らは演技が達者で、時にカメレオンのように周囲の雰囲気に同化するでしょう。
しかし彼らの演技を鵜呑みにし、彼らに対して周囲に同調するよう誰かが求めはじめると、彼らは反抗的な態度を露わにするか、もしくは静かにその場から去っていきます。というのも彼らが重視するのは、内面世界とイデオロギー。静かであるべき内なる世界に他者が喧騒をもたらそうとしている、もしくは自分の意見が同調圧力により踏みつぶされようとしていると彼らが判断した時、彼らは心にバリケードを設置するでしょう。
けれども彼らの我慢が限界を超えるという滅多なことでも起こらない限り、他者は彼らが何を思い、何を考えているのかを知るすべがないものです。彼らが、騒がしい人や押しつけがましい人を嫌っているということすら、把握するすべがありません。
補助機能としてのNi ― ENFJおよびENTJ
このタイプはすぐに物事の矛盾に気付き、それらを徹底的に「掘り下げ」、それを解決することを好みます。また彼らは内面に優れたアナリストを飼っていて、常に本質を理解しようと努めています。
しかしその一方で、自分自身という人格を掘り下げること、ないし掘り下げられることは好みません。彼らのパーソナリティスペースに何者かが踏み込んだ時、彼らは途端に不安定になり、脆弱になるでしょう。
そんな彼らは、他者の心理状態を察し、そこに入り込むことが得意です。相手の心にある“もやもや”を、本人に代わって言語化する能力に長けていますし、その能力を使って基本的には良い方向に影響を与えることができます。いうなれば彼らは、魂の癒し手となることができるのです。それゆえ彼ら、特にENFJは、心理学の分野で成功をおさめることがあります。
第三機能としてのNi ― ISFPおよびISTP
このタイプはマクロの視点から物事を見て、全体が円滑に運営される状況を維持することに執心します。そして円滑な運営を維持する静かな努力を重ねることにより、自尊心を維持するのです。
マクロな視点から導き出される「今、この状況において必要とされること」を、適切に、粛々と実行していくことから、彼らは仕事人というような評価を受けるでしょう。そして彼らも、自身がそう評価されることを望んでいます。
また彼らには常に一貫性があり、時として頑固に見えるでしょう。何故ならば常に、彼らは同じことを考え、同じことを言い、同じことを行い、それらを乱す行動を忌避するからです。これは彼らが自分自身の内面を常に同じ状態に保ちたいからこそ、取っている行動です。
彼らは「いつもと違う状況」に耐性が無く、また彼らは心を乱されることを望みません。もしも心をかき乱される状況に彼らが陥ったとき、彼らは普段の冷静さを失くし、ひどく混乱するでしょう。
そのため彼らは基本的に、他者から与えられる情報を拒み、あくまでも情報は自分の目で見つけたものだけを信じる態度を貫きます。そんな彼らが他者から与えられた情報を素直に受け入れるときは、その情報が安全である、つまり自分の感情を刺激することはないと判断した時だけです。
これらの理由から彼らは通常、「仕事は出来るが、融通は利かない頑固者」という印象を与えるでしょう。けれども彼らにとっては自分自身に忠実であり、いつもと同じであり続けることこそが大事であり、仲間たちと足並みを揃えることは必ずしも重要であるとは限らないのです。
劣位機能としてのNi ― ESFPおよびESTP
このタイプの人々は、精神的な不快感を経験せずに済む環境、そして説明を必要とせずにアイディアが自由に共有されるような環境を好みます。なのでこれが満たされていない環境である場合、彼らは他の場所に移動するでしょう。
彼らは、今を心の底から楽しむことを知っている人々と交流を持つことを好みます。そのため、ネガティブな人々とは関わりたくないと考えています。
環境に対する彼らの主な要求は、彼らの持つ理想に沿っていること、そこに集約されます。なので楽しくない場所、面白みのない場所は、彼らの理想とは相容れないため、彼らは「ここは私の世界ではない、私はここを受け入れることが出来ない」と言い残し、去っていくでしょう。
このタイプは外的な世界が「自分の精神を損なう」という状況にある場合はそこで生きることができず、内面に「かゆみ」を覚えるでしょう。その「かゆみ」が積み重なって耐えられなくなった時に、離れるという決断を下すのです。
逆に居心地が良い場所に辿り着ければ、彼らは「そこにいるすべての人が、自分と考えを共有している」と感じ、その場所を自動的に自分のものとして受け入れることができます。
したがってこのタイプは、「ありのままの全て」が受け入れられる場所が好きであり、そのためお互いの弱点を受け入れ、それと共に生きる「自分の愛する」人々のための小さな世界を作り出します。
また自分の愛する小さな世界を統率するために、時として彼らは相容れない人々を「異星人」のように扱い、ひどい時には見下し、敵対することもあるでしょう。この方法による統率が成功することは滅多になく、また穏当を欠くため、第三者からは冷たい目で見られることがあります。けれども彼らにとっては「自分たちさえ良ければいい」ので、その批判を受け入れることはないでしょう。
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