MBTI

【MBTIタイプ別】10代に経験する葛藤 Part.1【SJタイプ編】

唐突ですが、10代を振り返ってみてください。10代のとき、直面した問題にうまく対処できず、困惑したことがありますか?

肩に圧し掛かる人間のストレスに、進路に関するプレッシャー、親からの期待……――何もかも投げ出したい!と感じたことは、誰にでもあるでしょう。

今回はパーソナリティタイプごとに異なる、10代の葛藤について取り上げたいと思います。そして同時に、発達過程にある10代の脳についても触れていきます。

10代の脳の神経科学

人間の保有する臓器の中で、脳が最後に発達を終える器官であることをご存知ですか? そう、つまり10代の脳はまだ発達途上にあるということなのです。

思考と判断および感情の制御を司る前頭前野と前頭皮質、つまりヒトを人たらしめる器官は、20代半ばから後半になるまでは完全には発達しないとされています。

「10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか (原題「The Teenage Brain: A Neuroscientist’s Survival Guide to Raising Adolescents and Young Adults」)」の著者であるFrances E Jensenは、本の中で脳内の神経細胞を覆う「ミエリン鞘」と呼ばれるリン脂質について説明をしています。

ミエリン鞘は、いわばニューロンというケーブルを皮膜する絶縁体のような役割を脳内で果たしています。ニューロンが伝達する電気信号を正しい方向に誘導し、それ以外の方向に飛び散らないように制御しているのです。

このミエリン鞘は脳の後頭部から発達が始まり、前頭前野へと進んでいきます。そしてこの発達プロセスは、20代半ばから後半まで、もしくはそれ以降まで、完了しないのです。

これが意味することは、つまり10代の時に経験する「衝動の制御をうまくできない」「共感が完全には行えない」「判断を下す際に苦労する」といった苦労の根底には、未発達な脳があるということなのです。

そして30代に達すると、ニューロンの絶縁は概ね完了し、ニューロンが伝達する電気信号の流れはスムーズなものとなり、感情の処理もスムーズに行われるようになります。

このように脳の発達も終了した30代では、衝動を抑えてコントロールしたりすることが容易になり、数十年後を見据えた将来設計ができるようになりますが、発達途上の段階にある10代の脳ではそれが難しいのです。しかし10代の時期にこそ、人生において重要なターニングポイントが起こりがちなので、メンタルヘルスの問題など、二次的な問題が発生しがちになります。

ただし、10代の脳は悪いことばかりではありません。発達途上の段階である10代の脳は、「強化されたシナプス可塑性」という特権を持っていて、大人よりも柔軟で吸収力に長けています。自転車の乗り方や、箸の持ち方といった行動の修正も、大人よりも素早く行うことができることも、10代の脳の特徴です。

これらの影響により、10代の脳は覚えるべきことをより早く学習できるうえに、それを長く記憶することができます。つまり勉強には適しているのです!

しかし10代の脳には「染まりやすい」という特徴があります。狭い視野により過激な思想に影響を受けたり、アルコールやドラッグなどの中毒になりやすいのです。特に10代の脳が受けるアルコールやドラッグの影響は甚大で、その後の発達に悪影響を及ぼし、永続的な損傷を脳に遺すとされています。

そんな10代の脳が持つ不安定さと利点を知ったところで、本題へと移りましょう。10代の脳とパーソナリティタイプは、どのように影響し合い、どんな結果をもたらして、それがどのような葛藤へと繋がるのでしょう? その可能性について、見ていきましょう!

10代のISTJ

10代のISTJは一般的に、同年代のパーソナリティタイプの中でも最も責任感があるとされ、実務的であり誠実です。

ISTJは五感を活用し、社会の中で“サバイバル”をしている中で、10代になる頃にはある気付きを得ています。それは「自分を過剰によく見せようとはしないこと」と「感情的にならないこと」、そして「大規模なグループに所属するのではなく、少ないが信用できる友人を手にすること」という三点です。なのでISTJは狭く深い付き合いを好み、信頼できる友人には誠実に尽くすでしょう。

そんなISTJが経験する葛藤は、変化を受け入れることです。自分の幼少期には無かったような最新のデジタル機器や、非伝統的な全く新しい価値観や手法などを、すぐに受け入れることができません。馴染むにも、それなりの時間が掛かるでしょう。これらの苦労は、ISTJが劣位機能として「外向的直感(Ne)」を保有することに由来します。

また10代のISTJは特に、親や教師など、周囲から掛けられる期待に「絶対に応えなければならない」と考えてしまいがちです。そしてリスクを冒すことを嫌い、社会進出につながる学歴社会のレールから“ドロップアウトする”ことを非常に恐れるでしょう。そういった不安やプレッシャーから、二次障害を抱えやすいとされています。

なのでISTJがまだ若く柔軟な10代のうちに、斬新なイベントを経験させてみたり、未知の領域への試みにチャレンジさせてみましょう。常識にとらわれない前衛芸術に触れてみる機会を設けることも、良いでしょう。それは回りまわって、ISTJに良い影響を与えます。

そんなISTJは10代の後半に差し掛かると、劣位機能である「外向的直感」が暴走するようになります。安定し、秩序立った生活を好むISTJですが、10代後半になると、そんな生活を根底から覆してしまうような「もしも」を次から次へと思い描くクセが始まるようになり、常日頃、杞憂を抱くようになります。

とはいえISTJが抱く杞憂の多くは「常識とされる道を外れること」から端を発しているので、対処することは出来ます。それは上述のように、常識とされるものの外にあるものに、若いうちから触れさせておくことです。選択肢が必ずしも一つでないことを知れば、力み過ぎた肩から力を抜くことができるようになるでしょう。

最後に、ISTJは典型的な10代に見られるような「中身がなく、薄っぺらで表面的な」性質には辟易してしまいがちとなるでしょう。というのもISTJは友人たちに、一貫性と誠実さを求めるからです。

しかしごく普通のティーンエイジャーといえば、情報や友人たちによってあっちこっちに引っ張られ、興味の対象や関わる友人たちは変化していきます。なので、例えば1ヶ月ごとに恋人を換えるような友人や、「進路、どうしよー。この学校も良いけど、親も先生もあの学校に行けっていうし、でも友達が多く行くのは別の学校でー……」といったようになかなか決心がつかない友人には、呆れ返ってしまうでしょう。そういった理由から、ISTJは人間関係において神経を擦り減らしてしまうことがあります。

10代のISFJ

10代のISFJは一般的に、責任感があり勤勉だとされています。彼らは「お金」に対して注意を向ける傾向があり、アルバイトをこなしてお金を稼ぐことを経験すること、および節約することに興味を抱くでしょう。これは主に「親に頼りきりにならず、少しは家計を楽にしてあげたい」という思いが根底にあることが多いようです。

そして彼らは宿題を「サボる」なんてことは、殆どしないでしょう。時間通りに済ませることが当たり前となっているです。しかし多くの場合ISFJは自分自身の身の程は弁えていて、無理に自分をよく見せることはしないでしょう。それはやがて自分の首を絞めることになると分かっているからです。

つまりISFJは10代の頃から勤勉であり、寛大で、強い義務感および責任感を持っています。そして彼らは広く浅い付き合いよりも狭く深い付き合いを好み、大抵の場合は1〜2人の親友がいて、その関係に満足しています。

そんなISFJが10代において経験する葛藤は、新しい場所をなかなか受け入れられないこと。新年度のクラス替え、そして進学により友人と離れ離れになるとき、ISFJは新しい環境になかなか馴染むことができず、苦労するでしょう。

そしてもう一つ苦労することがあります。それが、あえてリスクを冒す選択を採ることです。安全志向であるISFJは、危険を冒してまで成功を目指したくないと考えることが多く、安全な道を選らぶことが多いでしょう。とはいえ、これは多くの場合良い結果をもたらします。失敗することがないのですから。

けれども安全を選ぶということは、もしかしたら掴み取れたかもしれないチャンスを、自ら潰してしまうことを意味します。特に10代後半は、成人期に突入する準備期間。就職など、将来のことを考えていく中で、安全な選択だけでは生き残れないといことを徐々に知っていくでしょう。イチかバチかの賭けに思い切って出られるかどうかが、明暗を分けることになるかもしれません。

とはいえ、ISFJは賢明なパーソナリティです。情報を集めたり、大人たちから意見をもらいながら、自分で考えて自分で答えを出し、これらの問題は概ね対処できるでしょう。ただし、そんな賢明なISFJでも対処できない問題が10代のころには起こりがちです。それが人間関係の中で起こる衝突です。

ISFJは基本的に平和主義者であり、どこかで対立が起こることは望みませんし、誰かが孤立している状況は好きではありません。なのでその状況を改善するために、ISFJは静かに行動を起こすでしょう。喧嘩は仲裁しようとしますし、孤立しているクラスメイトがいれば声を掛けます。

ただし10代は、何かと面倒な時期です。ISFJが善意から取った行動は時に同世代から「偽善者」や「良い子ちゃんぶってる」といった評価をされます。善意からの行動により、ISFJが仲間外れにされることもあるでしょう。仮にこのような状況に陥った場合、ISFJの精神衛生に深刻なダメージをもたらします。自分の行動に自身が持てなくなり、自尊心をみるみる失くしていくでしょう。

自尊心を失くしたISFJは、優柔不断になりがちになります。このような状態にあるISFJに、特に両親は苛立ちを覚えやすくなるでしょう。しかしここで苛立ちに任せて怒鳴ってはいけません。優柔不断さの根底にある問題に目を向け、ISFJを励ませるかどうかが重要となってきます。

10代のESTJ

10代のESTJは、野心的である傾向があります。彼らは通常、年齢以上に責任感があり、他の10代よりも成熟しており、10代の間でしか得られない特別な雇用機会を楽しんでいます。

彼らは一般的に、お金を稼ぐことに惹かれています。小遣い稼ぎの積み重ねであれ、アルバイトによるものであれ、自分で始めた事業であれ、なんであれ、自分の力でお金を稼ぐことが好きなのです。それがこのタイプの自信へと繋がっています。

多くの場合ESTJは、野球やサッカーのようなチームで行うスポーツ競技や、自分が所属する自治体などコミュニティで行われるイベント行事の手伝い、そして学級委員長や生徒会長といった学校内での役職に惹かれます。そんな彼らは自然にリーダーシップを取り、学生時代をエンジョイできるでしょう。

そんなESTJが10代に経験する葛藤は、自分自身を酷使しぎること。あまりにも多くの責任ある仕事を引き受けたり、より多くのプロジェクトに参加したり、ゼミやセミナーに顔を出してみたり等々……その結果、体力が底をついてしまうのです。そして体力が底をつくと動けなくなると、気力も擦り減っていきます。

体力も気力も減っていくと、思うように行動できなくなる自分自身に苛立つようになるでしょう。なので程々に行動を制限し、体力が尽きる前に休憩を挟めるかが、10代のESTJが対処すべき課題となってきます。

そしてもう一つ、ESTJが10代の頃に経験する苦労があります。それは自立心と誠実さの間で起きる葛藤です。ESTJは家族や自分が所属しているコミュニティに愛着を持ちますが、同時にそこから離れて自立して、自分自身の人生を歩んでいきたいという願望を持っています。相反するともいえるこの二つの性質の中で揺られ、どちらを選ぶべきなのかで混乱することがあるでしょう。

他の10代よりも落ち着きがあり、責任感があるとはいえ、ESTJも10代の頃は不安定です。外では無理に背伸びをして責任ある人になろうとしますが、家では他の10代らしく親に反抗的な態度を取ったりするでしょう。そして自分が独立するために喧嘩をしますが、家族との絆を壊したいとは考えていません。なので喧嘩のたびに気まずくなる家の空気に、ひどく傷ついていたりもします。

そんなESTJは、やや柔軟性に欠けていることがあります。それは10代のこの時期に、ESTJは優勢機能である「外向的思考(Te)」を大いに強化させるからです。そのためESTJは「常識的な観点」に縛られるようになり、あまり深く考えないままに、即断即決をしてしまいがちになってしまいます。

物事を独自の視点から詳しく調べてデータを積み重ねたり、決定を下す前に幾つかの選択肢を検討することを、外向的思考は疎むようになります。「外向的思考」には素早い決断を下せるという利点がありますが、素早すぎるために見誤ったり、判断に他の意見を挟ませないからこそ「独断的で独善的」という印象を抱かれがちです。特に悪い印象は、人間関係を傷つけることがあるかもしれません。

10代のESFJ

10代のESFJは一般的に、自身が所属しているコミュニティに対して非常によく尽くします。そして活動的で、誰とでも分け隔てなく接することができます。

彼らは、あらゆるイベント、勉強、人間関係、人生のすべてを、概ね楽しめる傾向にあります。友人たちと街へ出かけたり、学園祭などの学校行事を盛り上げたり、休日を部活動に費やしたり等、その全てに積極的に打ち込むでしょう。そのようにESFJは通常、思いやりがあり、献身的な良き友人となります。

ただしESFJは、誰にとっても良い友人となるわけではありません。ESFJは最初こそ「分け隔てなく」接しますが、その段階でESFJを蔑ろにするような対応をした者を、ESFJは目の敵にします。仮に相手に悪気はなかったとしても、一匹狼的な冷めた対応をしたり、コミュニティに溶け込まないような態度を取って、ESFJの機嫌を損ねた場合、彼らはESFJのターゲットとなります。

一度ターゲットを定めたら、ESFJは対象を徹底的に攻撃し、コミュニティから追い出そうとするでしょう。このような性質から、学校内で起こるいじめの主犯格となりやすいのが、ESFJというパーソナリティです。

そんなESFJが10代の頃に経験する葛藤は、生真面目さとルーズさの間で揺れることにより起こります。根は真面目であるESFJは、締め切りが来る前に宿題は全て終わらせたいと思ってはいますが、それ以上に「友達と遊びたい!」という欲求があり、その二つを同時に満たすことができない現実にヤキモキすることがあるでしょう。

またESFJは、友人と遊ぶことも、家族とどこかに出かけることも、そして学校の部活動や生徒会にも、その全てに取り組みたいと考えていて、しばしばこんなことを口にするでしょう。「自分の分身が欲しい!」と。やりたいことを全て行うことができない、ということが葛藤へと繋がることがあります。

10代のESFJを悩ませるのはそれらだけでなく、友人や仲間から掛けられる圧力も、ESFJに葛藤をもたらします。ESFJはコミュニティに所属する全ての人が、同じ方向を見て同じ方向に進むことを望んでいますが、それは非現実的な理想です。現実では個々人の望みは異なっていて、目指している目標が微妙に違っていることが殆どです。

そうしてバラバラの人々をESFJは結び付けようと躍起になりますが、10代の若者が集う場所では、そううまくいきません。友人や仲間たちを説得に走る中でESFJは彼らの反感を買い、友人たちは悪意を込めてESFJの背中に「優等生」とレッテル貼るでしょう。向けられた理不尽な悪意と、それでも友人たちと仲良くしたいという思いの間で、10代のESFJは葛藤することがあります。

とはいえ一般的にESFJは、時間と共にこの問題への対処法を覚え、20代になる頃には悪意を躱す方法と、本当に必要な友人を選ぶ取る術を身に着けるでしょう。

「みんなが等しく仲良くなる」というのが、ESFJが若い頃から掲げる理想です。しかし現実にはESFJのように「みんなと仲良くなりたい!」という人もいますし、「パーティーに参加するより、一人で本を読んでる時間の方が有意義だ」と考える人もいます。なので「皆が仲良くなることは、現実ではあり得ない」ということを理解できれば、ESFJの弱点でもある頑固さや排斥性も克服できるでしょう。

ABOUT ME
青木 常久
「今すぐ使える心理学」を立ち上げた張本人であり、過去に性格心理学の研究・恋愛心理学の研究を行なっている中で、誤った知識が世の中に蔓延していることに課題を感じ、学術レベルで心理学を学び、企業向けにコンサルティング業務を行なったり、カウンセリング業務を行なっています。 - 九州大学出身、「性格心理」や「芸術」について学ぶ。性格心理学を用いた製品開発やチームマネジメントの第一線で活動中、現在メディア事業部マネージャーとして性格心理学を実践しています。