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あなたは仕事、ないし人間関係の中で、自分のことを「過小評価」し過ぎていませんか? そしていつの間にか自分自身を本当に卑下するようになり、まるで「周囲に嘘を吐き、どうにか”デキる自分”を取り繕っている」ような状態に陥ってしまっていませんか?
もしこのような状態にあなたがあるのなら……安心してください、このような状態にあるのはあなただけではありません。ある調査によれば、70%近くの人々が「人生の中で一度は、そういった感覚に陥ったことがある」と答えていますし、40%の人々が「日常的にそういった感覚があり、苦しい」と答えています。
言うまでもなく、これは非常に残念な結果です。このような感情は消して好ましいものではありませんし、これは自尊心を傷つけかねないような感情です。仕事や人間関係においても、暗い影を落としかねないでしょう。
この”呪い”を討伐するには、まず「このような感情が発生するワケ」を理解しなければなりません。今回はこの呪いについて、考えていきたいと思います。
インポスター症候群
「インポスター症候群」とは、現在の自分自身を受け入れること、および認めることができず、「自分には十分な能力がない」や「自分はここに居るべき人間じゃない」、「自分は嘘つきだ。周囲の人たちに、本当の自分を、最低の人間という本性を隠しているのだから」といった思想に支配されているような状態のことを指しています。
この「インポスター症候群」というものの特徴を、簡単に示しましょう。
- 実力不足といった自認から「自分は周囲に嘘をついている」と感じるようになる。
そしてこの嘘が露呈しないように露出を避けるようになり、露出する機会を恐れるようになる。 - 失敗することを過度に恐れている。
- 自分の強みや成果を、軽視するようになる。他者に褒められたとしても、それを「過大評価されている」「誇張されている、誤った評価」と見なす。
- 仮に成功体験を味わったとしても、それを状況要因、つまり「たまたま運が良かっただけだ」と結論付ける。
- 「足りていない実力」を補おうと、オーバーワークをしてしまう。
または「完璧でないこと」への恐怖から、オーバーワークにより埋め合わせようと頑張りすぎてしまう。
「謙虚さ」が本当に「謙虚」であるのかを、私たちは今一度考え直す必要があるかもしれません。自分や周囲の人々が言っていた”謙虚なフレーズ”は、もしかすると本当に自分自身を卑下しているからこそ出てきた言葉である可能性も否定できないでしょう。
とはいえ、「インポスター症候群」は別の見方をすることもできます。「自分自身を非難するような形でアプローチをするからこそ、本当のストイックさが生まれる」可能性もある、と考えることもできるでしょう。
内向的×直感的な人物はなぜ「インポスター症候群」にハマってしまうのか?
内向的であり直感を信用するタイプ(INFP、INFJ、INTP、INTJの4種)は、一般的に「自分自身の価値/個性」を重要視するとされています。つまりINタイプは「自分自身の個性(信念、価値観、強み、興味の対象など)」を「自分で理解する」ように努力し、その自己理解に従って生きようとするのです。
そのようなINタイプの姿は、「自分だけを映す鏡」をじっと見つめながら、自問自答を繰り返しているようだとも言えるかもしれません。
反対に、外向的であり経験を信用するタイプ(ESFP、ESFJ、ESTP、ESTJの4種)は一般的に、「外界からの」アプローチを採用しています。ESタイプは自分自身が「外界を映す鏡」となり、周囲に溶け込むために自己イメージを文字通り「空気に溶かす」のです。なのでESタイプにとっての「自分の好きなもの」は「周囲で流行っているもの」であることが殆どでしょう。
またESタイプは「ありのままの~ 姿見せるのよ~♪」という言葉よりも、「空気を読め、TPOを守れ」という言葉の方が大事だと感じるでしょう。この点においてESタイプは、個性を尊ぶINタイプとは正反対だということが分かるかと思います。
この両者の違いは、インポスター症候群においてもハッキリと別れてしまいます。
ESタイプは「自己評価」よりも「他者の意見」を信用する傾向にあるため、人から「よくやった!」と褒められれば、素直に「自分はよくやったんだ!」と受け止めることができ、大胆なガッツポーズを決めることができます。この「他者の意見を素直に信じる」傾向からESタイプはインポスター症候群にかかりにくいと考えることができるでしょう。
一方で、INタイプは自分自身が「最悪な批評家」になる傾向が強いタイプです。基本的に「他者をどこまでも信用していない/他者が視界に入っていない」ため、彼らは「自己評価」に強く依存しています。そのうえ「ハードルを高く設定してしまいがち」「負の評価に敏感」という内向的なタイプが持つ特徴も相まって、上述のような「最悪な批評家」が頭の中に誕生してしまうのです。そうしてINタイプは、自分自身を厳しく批評し、落ち込んでいき、自分自身を卑下するようなっていきます。
それに加えてINタイプには「プライドがやや高い」という特徴も抱えています。このような負の要素が幾つか重なった結果として「ボロが出ることを恐れる」ようになり、「失敗を恐れる」ようになり、この「怯えている自分自身」を恥じるようになります。そうしてインポスター症候群に陥ってしまうのです。
残念ながら、恐怖は人を救いません。失敗を避け、完璧であることを求める姿勢はいくらかの成功を与えてくれるかもしれませんが、その成功のために払う心理的疲労は莫大なものとなるでしょう。もしかすると成功を掴む前に、心が疲弊して立ち上がれなくなるかもしれません。
そんな難儀なINタイプには人生において、以下の2つの選択肢が与えられているといえるでしょう。
- 拒絶や失敗のリスクを回避するために、自己隠蔽を試みる
- 常に等身大の自分であることを心掛ける
しかし……INタイプが2番目のオプションを選択したところで、インポスター症候群から抜けられるとが限りません。依然として彼らは「これは本当の自分なのか」という答えの出ない問いに苦しむこととなるでしょう。
なお、今回は極端な例として「INタイプ」を持ち出していますが、これは他の内向的なタイプにも当てはまる問題です。自分の能力や才能を過小評価してしまうというのは、内向的なタイプに共通する呪いだといえます。
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