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人は成長するに行動が変化していき、次第に「個性」というパターンが生まれていきます。そして徐々に「個性」が定まっていく中で、意見の相違から喧嘩をしたり、葛藤することがあるでしょう。つまり子供時代は、何かと傷付きやすいのです。
ある子供は「存在感を消して、空気に溶け込む。目立つことはしないほうがいい」という考えに至ります。何かを喋った途端に波風が起きて、周囲から攻撃されるという経験をしたからです。
ある子供は「強くならなきゃ。なんでも出来る大人にならないといけない」と覚悟を決めます。この覚悟は、責任感が足りない親に育てられたり等により、親兄弟の世話を子供時代からさせられていたことによるものです。
またある子供は「全ての人を等しく受け入れるべき。意見の相違はあっても、攻撃してはけない」と思うようになります。両親や友人たちが繰り広げる下らない喧嘩を見続けた結果、「相手の話を聞かない人」に嫌気が指してしまったのでしょう。
――大小は異なるでしょうが、このように人はそれぞれ子供時代に何らかの傷を負っているものであり、それにより何らかの考えが生まれているものです。
それでは、あなたの経験した出来事は傷は何でしたか? それによりあなたは、どんな人物に成長したのでしょうか。幼年期がその後の人生に及ぼす影響について、今回は書いていきたいと思います。
【エニアグラムタイプ別】幼年期に負いやすい傷とその後の影響について
タイプ4: アイデンティティを受け入れられない
タイプ4に該当する人々は子供の時に、家族が自分の存在を軽視していると感じていました。母親か父親か、兄弟たちか、それら全てからか、家庭において異なりますが、このタイプは家庭に居ながらも常に孤独感を感じていたでしょう。
“本当の自分”を家族は受け入れてくれない、認めてくれないというような感覚が、タイプ4には付き纏っています。その孤独感は彼らに「自分はここにいるべき人間じゃない」「この家庭において、自分は場違いな存在なんだ」という認識を植え付け、「どこかに、自分にとって相応しい場所がある」というような逃避願望を彼らにもたらすでしょう。
この逃避願望は、現実にある「家族からの拒絶」と「拒絶を避けるために、孤立を選ぶタイプ4自身」という問題に対処するために生まれるものです。そしてこの逃避願望は、タイプ4に「自分独自の、アイデンティティを確立したい」という欲求をもたらします。つまり愛情を家族ではなく、外部に求めるようになるのです。
「逃避願望」と「アイデンティティを確立したいという願い」により、タイプ4は”一般人”とはかけ離れた存在――少々特殊な傾向を持つ人々――と関わりを持つようになります。俗にいう”アングラ”コミュニティや、奇抜で派手な装いを好む人々、アート界隈の人々などには、「自分と似たような境遇の人が居て、そういう人なら自分の苦しみを理解してくれるかもしれない」という思いをタイプ4は抱いているのです。
とはいえ多くの場合、タイプ4の問題は「自分自身を受け入れられるか」という点に帰結します。彼ら自身が自分というアイデンティティを受け入れられずにいること、それが根本的な原因として存在しているからなのです。
しかし多くのタイプ4はその根本的な問題から目を逸らし、空想の中に描く「理想の理解者」を現実に求めようとします。しかしそんな理想的なパートナーなど、そうそう運よく現れてくれるものではありませんし。目の前に現実として存在している相手に、自分の理想とする役割を押し付ければ、相手に呆れられて、距離を置かれるようになるでしょう。
これら問題が誕生したキッカケこそ、家庭にあったかもしれませんが。タイプ4の問題の多くは、タイプ4自身が自分と向き合わなければ解決できないものばかりです。
ありのままの自分を受け入れ、それを認めること。そして目の前にいる相手のありのままを受け入れ、認めること。それをクリアできなければタイプ4は、彼ら自身が望んでいる「理解者」を得ることができないでしょう。
タイプ5: 親密になることができない
タイプ5に該当する人々は子供の時に、自分自身のことを「みにくいアヒルの子」のように感じていたでしょう。
同じ家庭に属する同じ人間であるはずなのに、家族と自分はまるで違う生き物のように感じる。家族が地球人だとするなら、自分は火星人か何かなのだろうか? ――このような特異な”孤独感”は、タイプ5に常に付きまとう感情です。
故にタイプ5は、家族という一つのグループに完全に馴染むことが出来なかったでしょう。そしてこの傾向は成長していくたびに、別の孤独感をタイプ5に植え付けていきます。幼稚園や保育園の空気に馴染めない、学校にうまく馴染めない、社会に出ても周囲の人にうまく合わせられない等、タイプ5は次第に生きにくさを感じるようになっていきます。
この生きにくさを解消するために、タイプ5は家族および人間ではない「その他」に目を向けるようになります。また兄弟・姉妹とは違う習い事に興味を示したり、一人で部屋にこもって興味のある特定の分野にのめりこんだり等、タイプ5は誰にも邪魔されない「自分独自の道」に進もうとします。
そしてタイプ5は、人間である親兄弟や友達と一緒に遊ぶよりも、犬や猫、ハムスターといった「そもそも言葉が通じない相手」と共に遊ぶことで、安らぎを得ようとします。その中でも、付かず離れずな適度な距離感を保ってくれる猫が、一番好ましいと感じるようです。
つまるところタイプ5は、似て非なる「他の人間」と親しくなることができないのです。というよりも、彼らは他の人間と親しくなりたくなどないのでしょう。過去の経験から「他の人間と自分は、分かり合うことが出来ない」と知っている彼らは、人付き合いを避けたがりますし、それを強要されると「邪魔しないでくれ!」と憤慨します。極論を言うと、人間が嫌いなのです。
ただでさえ捻くれ者であるタイプ5に、いじめや虐待の経験が重なれば、その性格はより一層、人嫌いなものとなるでしょう。「自分以外の他人は全て愚かな存在であり、到底話が通じる相手ではない。となれば自分以外、他に信じられる存在があるだろうか?」といった極端な思想に取り憑かれてしまう可能性さえあります。
タイプ6: 誰かを信頼することができない
タイプ6に該当する人々は子供の時に、親に対して真の意味での「信頼」を抱けなかったでしょう。
親はタイプ6にとって安心できる居場所でなく、ある意味において「非常に強力な権威」のような存在であったはずです。親は愛情を与えてくれて優しく包んでくれる相手ではなく、忠誠を求めて指示に従うよう強要してくる存在だったことでしょう。家庭内で絶対的な権力を持つ独裁的な指導者、そんな存在であった可能性があります。
しかし、そんな親をタイプ6が愛していなかったかというと、決してそうではないでしょう。親はタイプ6が指示に従う限り、彼らを愛し、褒めてくれていたはずだからです。けれども「親が優しかったか?」といえばそうではなく、タイプ6が親に異を唱えれば、親は容赦なくタイプ6を罰したはずです。この”飴と鞭”に近い関係性は、タイプ6に複雑な心境をもたらしたでしょう。
親に黙って従っていれば、親は自分のことを愛してくれるけれども。少しでも自分が歯向かえば、親は手をあげてくる。このような関係は、本当に愛してくれているといえるのだろうか? ――そのような疑心暗鬼は、タイプ6に色濃く刻まれます。親を信じたい反面、本当の意味で信用することができず、心苦しい日々を過ごしていたかもしれません。
そしてタイプ6の中で怒りや不満が爆発した時、タイプ6はかなり大胆な行動に出るでしょう。それが「家出」や「絶縁」といった行動です。一度火が点いた怒りはそうそう簡単には収まらず、これは生涯にわたり解消されることはないような、決定的な断絶をもたらすことがあります。
そのような経緯を持つタイプ6は、信頼できる関係を切望する反面、その関係に対する疑念をなかなか拭うことができません。人間関係について、つい考えすぎてしまうクセが付いているのです。成長していき、家族以外の関係を手に入れた時に、この傾向は自然と解決されていくとされていますが、しかし一朝一夕で解決するようなものではないでしょう。
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