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人は成長するに行動が変化していき、次第に「個性」というパターンが生まれていきます。そして徐々に「個性」が定まっていく中で、意見の相違から喧嘩をしたり、葛藤することがあるでしょう。つまり子供時代は、何かと傷付きやすいのです。
ある子供は「存在感を消して、空気に溶け込む。目立つことはしないほうがいい」という考えに至ります。何かを喋った途端に波風が起きて、周囲から攻撃されるという経験をしたからです。
ある子供は「強くならなきゃ。なんでも出来る大人にならないといけない」と覚悟を決めます。この覚悟は、責任感が足りない親に育てられたり等により、親兄弟の世話を子供時代からさせられていたことによるものです。
またある子供は「全ての人を等しく受け入れるべき。意見の相違はあっても、攻撃してはけない」と思うようになります。両親や友人たちが繰り広げる下らない喧嘩を見続けた結果、「相手の話を聞かない人」に嫌気が指してしまったのでしょう。
――大小は異なるでしょうが、このように人はそれぞれ子供時代に何らかの傷を負っているものであり、それにより何らかの考えが生まれているものです。
それでは、あなたの経験した出来事は傷は何でしたか? それによりあなたは、どんな人物に成長したのでしょうか。幼年期がその後の人生に及ぼす影響について、今回は書いていきたいと思います。
【エニアグラムタイプ別】幼年期に負いやすい傷とその後の影響について
タイプ1: 過度の自制
タイプ1に該当する人々は子供の時に、あまり親と触れ合えず、寂しい思いをしていたことが少なからずあったでしょう。それが母親なのか父親なのか、その家の形態によって異なりますが、親と子の間に何らかの「断絶」が発生していたはずです。
もしかすると、自分のやりたいことにばかり集中し、子供を放っておくような親だったのかもしれません。もしくは過度に厳格であり、「我が家の子供は、こうあらねばならない!」というような親の意見を子供に押し付けるような親だったのかもしれません。または過度に寛容であるが故に、我が子と他所の家の子とを分け隔てることなく接し、特別な愛情を注いでくれなかった親であった可能性もあります。
また時として、宗教色の強い家庭で育った子供は、タイプ1となる性質を帯びるようになります。これは親が「宗教の教えに背かない生活を送る」ことを尊ぶあまり、「信仰心>子供」となってしまうことに由来しています。宗教の教えに背いた子供を、親が容赦なく罰することもあるため、これが深刻なトラウマをもたらすことになるケースもあるでしょう。
これら「親との間にある断絶感」、つまり「寂しさ」を解消するため、タイプ1に該当する多くの子供はこう考えます。「親が自分を認めてくれない、愛してくれないのは、自分がなにか親を苛立たせるような”間違ったこと”をしているからだ」と。
そしてタイプ1はこの考えに基づき、自分を省みて、自分を容赦なく非難しながら、独自の倫理規範とマイルールを策定します。策定後はその規範に基き、彼らは行動するようになるでしょう。その規範を、彼らは厳格に遵守するはずです。
事実、タイプ1は逸脱する行為を滅多にしません。自己向上のために努力をしますし、個人的な欲望のために自分勝手な行動を起こすこともしません。人の為に行動し、より良い自分を、より良い世界を作るために彼らは働くでしょう。
自分に厳しい目を向けるタイプ1の視線は、時に他者にも向けられます。批判的な目を他者に向け、容赦ないバッシングを人に浴びせるときもあるでしょう。ですが裏を返せばこれは「あいつは自分勝手な行動をしても周囲の人に許してもらえる。なのに自分は……!」という無意識下での妬みが、根源にあるケースが多かったりもします。
幼年期から自分自身を強く制してきたタイプ1は、ある意味において「自分自身を強く罰してきた」ともいえます。親から何らかのかたちで「認められた」経験が無ければ、より一層その自己肯定感は低くなるでしょう。自省的で努力家であり、自信があるように見えて、実際は自己肯定感が非常に低い。それがタイプ1の抱える呪いなのです。
タイプ2: 過度の自己犠牲
タイプ2に該当する人々は子供の頃、親の背中に「欠陥」を感じていたでしょう。
家事を適切に行えない親、十分な教育を与えてくれない親、そもそも家庭自体に虐待等の問題があるケース……これらを通して、タイプ2は「保護者が保護者の役割を果たしてくれないなら、自分がその役を補完するしかない」と考えるようになります。そしてその役割に沿ったアイデンティティを、発達の過程で取得するようになります。
そんなタイプ2にとって、親の愛を獲得する方法は「無私無欲でいること」なのです。欲張らず、泣きわめかず、自分を押し殺して”善良”を演じていなければ、存在を認めてもらえないと無意識のうちに思い込んでしまっています。そしてタイプ2は更に、親から”愛してもらう”には「自分が与えてもらった以上に、親に与え返さなければならない」と考えているのです。
このような少々いびつな認識は、歪んだ自己愛をタイプ2にもたらします。「誰かの世話をする自分にしか価値が無い」とタイプ2は感じるようになり、自然とタイプ2は自己犠牲的になっていくでしょう。そして誰かに必要とされている時にしか、タイプ2は生きているという実感を得られなくなるのです。
またタイプ2は「自分がしている行為が認められる(=感謝されたり、褒められたり等)こと」だけでは、満足することができません。その後も継続的に相手が”自分”を求めてくれなければ、安心感を得られないのです。
以上のように、愛を得るために自己犠牲的な手段に固執するタイプ2を「矯正する」ことは困難を極めます。望ましい健全なかたちをタイプ2に理解させるには、長い時間がかかることでしょう。
タイプ3: 過度の奉仕
タイプ3に該当する人々は子供の頃、日々の生活の中で関わる人々との間に、奇妙な”深いつながり”の存在を感じていました。
それは母親や父親との間にあるものであったり、兄弟姉妹との間にあるものであったり、祖父母や親戚、近隣住民との間にあったものかもしれません。ともかく、それら人間関係が”自分”を形作っていると感じていたタイプ3は、関わる人たちに認められ、愛されることを望んでいたでしょう。
そして関わる人たちに認められる術として、彼らは「相手のニーズを素早く汲み、それに対応する」ことを身に着けます。相手のニーズを満たすと、相手から感謝を伝えられる=自分の功績を認めてもらえるからです。
こういった経験を積み重ねることにより、タイプ3は徐々に「達成する喜び」を知るようになります。そして再び誰かに感謝されたり、褒められたり、認めてもらうために、精一杯なにかを「達成」しようと努力するようになるでしょう。
とはいえこれらの行動は、「然るべき努力をしなければ、自分は誰からも認めてもらえないのでは」という不安に基づいているものです。なのでしばしば、このタイプは「努力が足りていない自分に価値は無い」というような自己嫌悪に苛まれます。
この自己嫌悪はタイプ3が大人になった時に、過労を招くことがあります。「努力をしなければ」という思い込みにより、常に人一倍の努力を重ねるようになって、自分の身体のケアを怠るようになるでしょう。寝る間も惜しんで仕事に励んだ結果、精神的な疲労が重なったり、肉体が限界を迎えて倒れる……なんてことも起こりかねません。
けれどもこのタイプは、人前では常に笑顔で居ようとしますし、弱い部分を見せようとはしないでしょう。愚痴を言うこともしません。努力を裏で積み重ねて、華やかに勝利を掴み取ります。しかし、本音では「気兼ねなく本心を打ち明けられるような、相談できる相手が欲しい」と感じています。本当の意味での”信頼関係”がなかなか築けず、苦労しているのです。
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