MBTI

【後編】内向的×直感的な人物はなぜ「インポスター症候群」にハマってしまうのか?

16タイプ性格診断とは?

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(*この記事は前回の記事の続きです。まだ読んでいない人はこちらからどうぞ)

【前編】内向的×直感的な人物はなぜ「インポスター症候群」にハマってしまうのか?あなたは仕事、ないし人間関係の中で、自分のことを「過小評価」し過ぎていませんか? そしていつの間にか自分自身を本当に卑下するようになり、...

「あなたの能力を証明して」

何かしらの”もの”、特に生きている物を評価する時、人間は「それは自分ないし公衆において、役に立つ存在なのか」という軸で考えます。たとえば「家の中によく上がり込んでくる虫の中でも、見た目はさておき害虫を捕食してくれるクモは人間にとって益虫となるが。それに対して、見た目も不快であれば衛生面においても害を及ぼすゴキブリは、害虫以外の何物でもない」といった具合にジャッジするのです。

人間に対しても、そのジャッジは働きます。特定の誰かを評価する時、人は自然とその相手の能力を量ろうとするでしょう。その人物に才能はあるのか、特定の卓越した技術を持っているのか等を量った上で、最終的に「その人物が何に特化ししているのか/専門性の有無」をジャッジしようとします。

この「特化性/専門性」とは概して、当人ではなく外部が判断するものです。仮に本人が「自分はAの専門家です!」と名乗ったとしても、他者がその人物のことを「あの人はAについて、とても詳しいよね」と評価しない限り、この「専門家」という言葉は信憑性を持たないように、自分自身では判断のしようがないことなのです。

これは、逆のパターンでも通用します。例えば本人は「自分は歌なんか上手くないよ……」と考えていても、周囲の人の評価は「あの人はとても歌が上手い、メジャーデビューすれば間違いなく売れる!」となっている場合、本人の言い分はさておきその人物は「歌が上手い」となるでしょう。

自信を身に着ければ、インポスター症候群は跳ね返せる

このように本来は、「特化性/専門性」というものは本人には判断のしようがないことではありますが。人生、生きやすい方が良いに決まってます。他者の声を聞くことにより気を病んでしまうのであれば、”外野”の声などシャットアウトし、自分の本心にのみ耳を傾ければよいのです。

このように他者が下す評価に依存せず、自分を信じる=内向的な思考を逆手に取ることができれば、インポスター症候群に関わる全ての疑念は跳ね飛ばすことができるようになるでしょう。

内向的なタイプの中でも自信に満ちている人物は、他者が自分の仕事ぶりをどう評価しているのかには固執せず、あくまでも「自分自身が満足できる結果であるかどうか」にのみ拘っているもの。彼らは誰かに与えられた勲章の位や数よりも、自分の信じる道や価値観を誇りと感じているのです。

とはいえ……内向的なタイプの頭の中にいる”自分をジャッジする審判員”が求めているものが、「客観的な評価材料=外部からの評価」である以上、内向的なタイプがある程度の自信を保つためには、やはりある程度の社会的成功という”客観的事実”が求められることは否定できません。内向的なタイプが自信を獲得するには、社会的成功のための努力が必要不可欠となるでしょう。

――ただし内向的なタイプにおいても、例外がいます。社会的成功には然程興味が無く、そして社会的に広く”自分”という存在が受容されることにも関心がないものの、とにかく自信だけは持っているような人物が存在しているのです。主にINTPに見られるこのようなタイプは「自分の能力に自信を持つ」代わりに、「対人関係を徹底的に避ける」ことにより自己防衛を図っているとされています。

SJタイプがその大部分を支配する”世間”の常識において、このようなアプローチは「好ましくない」とされていますが、必ずしもその認識が「絶対に正しい」とは限らないでしょう。内向的なタイプにおいては、このようなアプローチのほうが生きやすさに繋がる可能性がありますし、本人が生きやすければ「それが正解」なのです。

疑え。そして心を開き、直感を解放せよ

MBTIタイプコードでいうなら「S: Sensing」タイプが主流派である現代において、経験則と目に見えるカタチで存在するデータこそが正義のように扱われる傾向があります。そんな世間の中で、創造性と猜疑心で満ちている「N: iNtuition」タイプは肩身の狭い思いをしていることでしょう。より疑り深いINタイプであれば、尚更にです。

そんな「Sタイプ」と「Nタイプ」は、そう簡単に分かり合えるような関係にはありません。マジョリティである「Sタイプ」と、マイノリティともいえる「Nタイプ」は、今もどこかで衝突を起こしているでしょう。

「Sタイプ」の信じる常識の隙と粗を「Nタイプ」が突いて、喧嘩や論争に発展する……これは何も珍しい光景ではありません。その中には、爪弾きにされた「ENタイプ」も存在していたかもしれませんし、大人しいからこそ袋叩きにあった「INタイプ」が居たでしょう。

ならば、マジョリティである「Sタイプ」に反抗する「Nタイプ」は、間違っているのでしょうか?

……これは「正しい」とも「間違っている」とも言い切れない問題です。双方がよく話し合い、お互いへの理解を深める必要がある、と誤魔化しを言うことしかできないでしょう。

とはいえ。「Nタイプ」、特にインポスター症候群に陥りやすい「INタイプ」はもっと自分を信じてみるべきです。強みである「疑う姿勢」と「直感」を活かし、自らの創造性を惜しみなく発揮していきましょう! 他者からの評価など、後からどうにでもなるものなのですから。

性格診断をもっと知りたいあなたが読むべき3つの書籍

①MBTIへのいざない - ユングの「タイプ論」の日常への応用


16タイプ性格診断 - MBTIを知りたいあなたは絶対に読むべき1冊。入門書としても応用本としてもトップクラスに評価されている本で、お値段こそすこし高いですが基本的な考え方を体系的に説明してくれている1冊になります。1冊目を探しているあなたにも、ざっくり理解しているあなたも必読です。

②ユング心理学でわかる8つの性格



心理機能を知りたいあなたへお届けする1冊になります。16性格診断を勉強しているとFeやNiといったアルファベットが出てきますが、そのようなアルファベット(心理機能)を理解することで16性格診断を理解することができます。この本も入門書としてはとても優秀で、オススメの一冊です。

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ABOUT ME
魔王
「今すぐ使える心理学」を立ち上げた張本人であり、過去に性格心理学の研究・恋愛心理学の研究を行なっている中で、誤った知識が世の中に蔓延していることに課題を感じ、学術レベルで心理学を学び、企業向けにコンサルティング業務を行っています。 - 九州大学出身、「性格心理」や「芸術」について学ぶ。性格心理学を用いた製品開発やチームマネジメントの第一線で活動中、現在メディア事業部マネージャーとして性格心理学を実践しています。